あさ)” の例文
新字:
貝層かひそうきはめてあさいが、其下そのした燒土やけつちそうつて、其中そのなかすくなからず破片はへんがある。幻翁げんおうげんると、香爐形こうろがたさう同一どういつだといふ。
わたしときよりまぐれをおこすはひとのするのではくてみなこゝろがらのあさましいわけがござんす、わたし此樣こんいやしいうへ貴君あなた立派りつぱなお方樣かたさま
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うして宏濶くわうくわつ水田すゐでんは、一にちどろひたつたまゝでも愉快相ゆくわいさううたこゑがそつちからもこつちからもひゞくとともに、段々だん/\あさみどりおほうて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
私のことを考へると氣持が惡くなると云つた、私があさましい程ひどくお前に當ると云ひ張つたときのお前のあの小兒こどもらしくない眼付と聲を。
もん左側ひだりがはに、井戸ゐど一個ひとつ飮水のみみづではないので、きはめてしほからいが、そこあさい、かゞんでざぶ/″\、さるぼうでらるゝ。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
はいつひに其夜の九ツ時に感應院はあさましき最期さいごをこそとげたりける名主を始め種々しゆ/″\詮議せんぎすれば煤掃すゝはき膳部ぜんぶより外に何にもたべずとの事なりよつて膳部を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
最早もはやうたがこと出來できぬ、海蛇丸かいだまるいま立浪たつなみをどつて海水かいすいあさき、この海上かいじやう弦月丸げんげつまる一撃いちげきもと撃沈げきちんせんと企圖くわだてゝるのだ。
「氣がきかないお樂だな。お前のところには、おあさとかいふ娘があつた筈ではないか。しやくも大事なおもてなしだ、平常着ふだんぎのまゝで構はぬ、出せ/\」
御主意ごしゆい御尤ごもつともさふらふ唱歌しやうかおもまりさふらふあさましいかな教室けうしつさふらふしたがつてこゝろよりもかたちをしへたく相成あひなかたむ有之これあり以後いご御注意ごちゆうい願上候ねがひあげさふらふ
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
それが學年がくねんはじまりだつたので、京都きやうとのまだあさ宗助そうすけには大分だいぶん便宜べんぎであつた。かれ安井やすゐ案内あんないあたらしい土地とち印象いんしやうさけごとんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何處どこ食事しょくじをしようぞ?……(四下あたりを見𢌞して)あゝ/\! こりゃまアなんといふあさましい騷擾さうぜう? いや、その仔細しさいはおやるにはおよばぬ、のこらずいた。
かういふ關係かんけいかさなるような場所ばしよおいては、津浪つなみたかさがいちじるしく増大ぞうだいするわけであるが、それのみならず、なみあさところればつひ破浪はろうするにいたること
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
丁度ちやうど其時そのときにははひつてたのは、いましもまちあさつて猶太人ジウのモイセイカ、ばうかぶらず、跣足はだしあさ上靴うはぐつ突掛つツかけたまゝ、にはほどこしちひさいふくろげて。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかるに、あのかはけつしてあさくはなかつた。ながれもおもひのほかはやかつた。次第しだいつてはいのちうばはれんともかぎらなかつた。その危急ききふさい中根なかねはどうことをしたか。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
その芽をはぐゝむものは、私のひろい深い愛でなければならないのです。私はまづ第一だいいちをつとを愛しなければなりません。けれども情けないほど私の愛はまだあさいものです。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
またそれからきるほどつてくうちに、馬車ばしやはあるかはきしました。かはにかけたはしちたときとかで、伯父をぢさんでもたれでもみなその馬車ばしやからりて、みづあさところわたりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ちひさな土橋どばしひとつ、小川をがは山川やまがはそゝぐところにかゝつてゐた。山川やまがはにははしがなくて、香魚あゆみさうなみづが、きやう鴨川かもがはのやうに、あれとおなじくらゐのはゞで、あさくちよろ/\とながれてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
あさうへほうからは青銅器せいどうき發見はつけんされたことによつてることが出來できます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
苦桃太郎にがもゝたらう喜悦きえつあさからず、こしなる髑髏どくろ一個ひとつ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
づかさのくさあさみに
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
ふかあさきの差異けじめさへ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
そろばんにしてにこ/\とあそばさるゝかほつきは我親わがおやながらあさましくして、何故なぜそのつむりまろたまひしぞとうらめしくもりぬ。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
頬白ほゝじろなにかゞ菜種なたねはな枯蓬かれよもぎかげあさゆきみじかすねてゝたいのかくはえだをしなやかにつて活溌くわつぱつびおりた。さうしてまたえだうつつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかし、なみ海深かいしん次第しだいあさくなるところ進入しんにゆうすると、それにつれてたかさをし、また漏斗じようごのようにおく次第しだいせまくなるところ進入しんにゆうしてもなみたかさがしてくる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
……まをしやうもござんせん、あさましい、はづかしい、くるしい、そして不思議ふしぎひましたのでございます。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
死んだ後でいくら探したところで、十兩とまとまつた金が出て來るわけはない。皆んなも、もう床を剥いだり、壁を崩したりするやうなあさましい事は止した方が宜い。
大丈夫だいぢやうぶだ、みづあさい‥‥」と、高岡軍曹たかをかぐんそうはまた呶鳴どなつた。「おい田中たなかはやじうつてやれ‥‥」
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
見て土器を取上ず呵々から/\打笑うちわらひ將軍の御落胤ごらくいんとは大のいつはり者餘人は知らず此伊賀亮かくの如きあさはかなる僞坊主にせばうず謀計ぼうけいあざむかれんや片腹痛かたはらいたたくみかなと急に立退たちのかんとするを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
形容けいようすればみづやうあさあはいものであつた。かれ今日こんにちまで路傍ろばう道上だうじやうおいて、なにかのをりれて、らないひと相手あひてに、是程これほど挨拶あいさつをどのくらゐかへしてたかわからなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なくば隱見ゐんけん出沒しゆつぼつ氣長きながわがふねあとうち本船ほんせん何時いつ海水かいすいあさ島嶼たうしよ附近ふきんか、そこ大海礁だいかいせうよこたは波上はじやうにでも差懸さしかかつたときかぜごときたり、くもごとあらはれでゝ
あな間口まぐちしやくすんに、奧行おくゆきしやくの、たかさ四しやく長方形ちやうはうけい岩室がんしつで、それにけたやう入口いりぐちみちがある。突當つきあたりに一だんたかところがあつて、それから周圍しうゐ中央ちうわうとにあさみぞつてある。
とうさんのおうちには井戸ゐどつてありました。その井戸ゐど柄杓ひしやくみづめるやうなあさ井戸ゐどではありません。いても、いても、なか/\釣瓶つるべあがつてないやうな、ふかい/\井戸ゐどでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
たのみにして今日けふまでもすごせしなりとひたけれどじようさまのこひこひにもあさふかさのあるべきならずれまだ其事そのこと
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
面當つらあてがましくどくらしい、我勝手われがつて凡夫ぼんぷあさましさにも、人知ひとしれず、おもてはせて、わたしたちは恥入はぢいつた。が、藥王品やくわうぼんしつゝも、さばくつた法師ほふしくちくさいもの。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勘次かんじむぎあひだ大豆だいづいた。畦間うねまあさほりのやうなくぼみをこしらへてそこへぽろ/\とたねおとしてく。勘次かんじはぐい/\と畦間うねまつてく。あとからおつぎがたねおとした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大暗礁だいあんせう! 大海礁だいかいせう! たとへふね坐礁のりあげほどでなくとも、此邊このへん海底かいていあさことわかつて居る※
さも有難げに押戴おしいたゞき幼年よりの好誼よしみと此程のあさからぬ餞別重々ぢう/\有難き仕合しあはせと恩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかし、それもこれもつまりは勝負事しようぶごとちたいといふよくと、ほこりと、あるひ見得みえとからくるのかとおもふと、人間にんげんいやしさあさましさも少々せう/\どんづまりのかんじだが、支那人しなじん麻雀マアジヤンばかりとははず
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
白隱和尚はくいんをしやう弟子でし東嶺和尚とうれいをしやうとかいふひと編輯へんしふしたもので、おもぜん修行しゆぎやうするものが、あさところからふかところすゝんで徑路けいろやら、それにともなふ心境しんきやう變化へんくわやらを秩序立ちつじよだてゝいたものらしかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そうあさいが、びツしりとつまつてて、それで土器類どきるゐなに見出みいださぬ。
かなひたりとも邪道じやだうにて正當せいたうひとよりはいかにけがらはしくあさましきとおとされぬべき、れはさても、殿とのをば浮世うきよそしらせまゐらせんことくち
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたしせつ身重みおもなんでございましたの……ですから、あさましいところを、おけますのがなさけなくつて、つい、引籠ひきこもつてばかりましたところなんですか、あのばん心持こゝろもち
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
記憶きおく辿たどれば、久保田さんのはわたしも二三一緒に行つた事のある、あさ草の十二かいしよの球突塲つきば背景はいけいにしたもので、そこに久保田さん獨特どくとく義理ぎりぜう世界せかいを扱つてあつたやうにおもふ。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
れよりおこりし生道心なまだうしんなどならば、かへすがへすあさましきことなり、だい一は不憫ふびんのことなり、中々なか/\高尚けだかこヽろもちそこねて、魔道まだう落入おちいるは我々われ/\書生しよせいうへにもあるを
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
金澤かなざはにてまつみゝは初茸なり。きのこは、まつうつくしくくさあさところにあれば子供こどもにもらるべし。(つくしんばうめつかりこ)ぐらゐな子供こどもに、何處どこだつて松茸まつたけれはしない。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
にとりつあさからぬおこゝろかたじけなしとて三らうよろこびしとたへたまほかならぬひと取次とりつぎことさらうれしければ此文このふみたまはりて歸宅きたくすべしとて懷中ふところおしいれつゝまたこそと
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
半纏着はんてんぎは、みづあさいしおこして、山笹やまざさをひつたりはさんで、細流さいりう岩魚いはなあづけた。溌剌はつらつふのはこれであらう。みづ尾鰭をひれおよがせていははしる。そのまゝ、すぼりと裸體はだかつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ともしびのかげすこくらきをいだもとにゆるは殿との、よし慝名かくしななりとも此眼このめかんじはかはるまじ、今日迄けふまでふうじをかざりしはれながら心強こゝろづよしとほこりたるあさはかさよ
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はしむかぎはに、あさきしながれのぞんで、たばがみ襟許えりもとしろく、褄端折つまはしよりした蹴出けだしのうすあをいのが、朦朧もうろうとして其處そこ俯向うつむいてあらふ、とた。大根だいこんとはちがふ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたしのやうなおもてむきのけるぎらひはひとからはあさましくもありましやう、つまらぬつまつたものだといふかん良人をつとはうかへつておほくあつたので御座ござりましやう
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)