“立浪”の読み方と例文
読み方割合
たつなみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最早もはやうたがこと出來できぬ、海蛇丸かいだまるいま立浪たつなみをどつて海水かいすいあさき、この海上かいじやう弦月丸げんげつまる一撃いちげきもと撃沈げきちんせんと企圖くわだてゝるのだ。
航海中は毎日の嵐で、始終船中に波を打上げる。今でも私は覚えて居るが、甲板の下に居ると上に四角な窓があるので、船が傾くとその窓から大洋たいよう立浪たつなみく見える。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
たとえば黒い珊瑚碓さんごしょうのごとく、うずたかく築いて、青く白く、立浪たつなみを砕くように床の縁下へわだかまったのが、三間四面の御堂を、組桟敷のごとく、さながら枝の上に支えていて、下蔭はたちまち、ぞくりと寒い
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)