“立籠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たてこも65.5%
たちこ18.2%
たてこ9.1%
たちこも3.6%
たちこめ1.8%
タテコモ1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一方では真実の役者がそれぞれ立派に三座にっていたが、西両国という眼抜きの地に村右衛門が立籠たてこもったので素破すばらしい大入おおいりです。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
夕立雲ゆふだちぐも立籠たちこめたのでもなさゝうで、山嶽さんがくおもむきは墨染すみぞめ法衣ころもかさねて、かたむらさき袈裟けさした、大聖僧だいせいそうたいがないでもない。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もすそすらすら入りざま、ぴたと襖を立籠たてこめて、へや中央なかばに進み寄り、愁然しゅうぜんとして四辺あたりみまわし、坐りもやらず、おとがいを襟にうずみて悄然しょうぜんたる、お通のおもかげやつれたり。
琵琶伝 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここには妻の一日の憂鬱ゆううつがすっかり立籠たちこもっている。妻もまたこの二三年を病の床で暮し、来る日来る日をさびしく見送っているのだった。
冬日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
立籠たちこめる湯気がしずくとなって落ちています。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
兇徒、勢ヲ得、三百余人、石橋山ニ立籠タテコモル。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)