“裳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もすそ50.0%
31.5%
すそ14.6%
1.6%
ジユツプ0.4%
しょう0.4%
すそも0.4%
ひだ0.4%
スカート0.4%
チマ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はらはらとその壇のもとに、振袖、詰袖、揃って手をつく。階子の上より、まず水色のきぬつまもすそを引く。すぐにみのかつぎたる姿見ゆ。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これは皆きれいにいろいろな上着にまでつけて、重なるようにしてすわりながらおおぜいで出ているので感じのよいことであった。
源氏物語:28 野分 (新字新仮名) / 紫式部(著)
笠もなく、手荷物もなく、草鞋わらじすらも穿いていない。彼女は浴衣のすそさえも引き揚げないで、麻裏の草履を穿いているらしかった。
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
脛に密着させるものは、筒袴とも言ふべきである。此が新しい意のはくで、襲衣オスヒ上袴だ。此は袴を括り上げる。脛ばきのはゞきの原形は、此である。
帽も上衣うはきジユツプも黒つぽい所へ、何処どこか緋や純白や草色くさいろ一寸ちよつと取合せて強い調色てうしよくを見せた冬服の巴里パリイ婦人が樹蔭こかげふのも面白い。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
永い歳月を経て定まったしょうとの形があることをも考えず、何でも見れば真似まねをして、上から上からと色々の余分のものを取り重ね、羽織だコートだ合羽かっぱちりよけだと
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
振り返ると、これも同じように取り縛られたお金が紅のすそもを蹴返して、まだ最後の争いを続けて居る様子——それを見ると、又もカッとなって
黒ずんだ昆布のひだを思わすようなギサついた口唇の横から、撲殺される刹那に、自分の歯で××食いちぎったらしい血まみれの舌××××××を、だらりと意気地なく吐き出していた。
放浪の宿 (新字新仮名) / 里村欣三(著)
ふと見ると庭に沿った長い側廊アイルを、ブロンド編髪をやさしく胸に垂れ、レエスの胸衣ジレに鯨骨入りのスカートをつけて大きな西班牙スペインの扇を持った少女が
ハムレット (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
二つ三つむせぶように深い息を吸い込んだりする。牛糞みたいな乳房が垂れ下がり、くろずんだチマの裾から両足はぐんなりと投げ出され、その肩はなめらかな弧を描いていた。
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)