“樹蔭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こかげ98.3%
きかげ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
牧田は、闇のことで見つかる心配はなかったけれど、なるべく樹蔭こかげを伝う様にして、五六間の間隔でわしのあとからついて来ました。
黒手組 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
帽も上衣うはきジユツプも黒つぽい所へ、何処どこか緋や純白や草色くさいろ一寸ちよつと取合せて強い調色てうしよくを見せた冬服の巴里パリイ婦人が樹蔭こかげふのも面白い。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
全く未開の森林の樹蔭きかげでしばしば夜を明して動物社会の起臥寝食きがしんしょくの有様を研究したものの中に、自然の美を喜ぶと同時にいわゆる自然界なるものの如何いかに不安の念に包まれおるかと感じた。
デモクラシーの要素 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)