“草鞋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わらじ81.3%
わらぢ13.6%
わらんじ2.3%
わらんぢ0.7%
わらんづ0.3%
そうあい0.3%
サンダル0.3%
さうあい0.2%
ざうり0.2%
ぞうり0.2%
わらんず0.2%
スリッパー0.2%
ワラヂ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それで、一般に町人の若い者たちは、心掛けの好いものは、手鍵てかぎ、差し子、草鞋わらじ長提灯ながぢょうちん蝋燭ろうそくを添えて枕頭まくらもとに置いて寝たものです。
從妹いとこのお光と、小僧一人の世帶ですが、小僧は店の次の間で寢て居るし、喜太郎は久し振りで草鞋わらぢの夜なべを休んで、奧で遲くまで
おもて長く髪の白きが、草色の針目衣はりめぎぬに、朽葉色くちばいろ裁着たッつけ穿いて、草鞋わらんじ爪反つまぞりや、巌端いわばなにちょこなんと平胡坐ひらあぐらかいてぞいたりける。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
生れしまゝなれば素跣足すはだしの尻きり半纏に田圃へ辨當の持はこびなど、松のひでを燈火にかへて草鞋わらんぢうちながら馬士歌まごうたでもうたふべかりし身を
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
吾が家常に草鞋わらんづをつくらせおきてかゝるものほどこすゆゑ、それをも銭をもあたへしに、此順礼のおきな立さらでとりみだしたる年賀の帖を心あるさまに見いれたるがいふやう
其の仲の兄もまた亡せたれば、孤身るところなく、つい皇覚寺こうかくじに入りて僧とり、を得んがため合淝ごうひに至り、こうじょえいの諸州に托鉢たくはつ修行し、三歳の間は草鞋そうあい竹笠ちくりゅう
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
次に、ニンフ達は、踵に一対の可愛い小さなはねのついた短靴みたいな、スリッパみたな、草鞋サンダルみたいな物を取り出しました。
此間小島子来臨、因而よつて御答相頼、乍然さりながら雨天なれば老人には定而さだめて迷惑可仕と可有御坐心得に、雨天の事申上候。雨天に而皆々被参候事に御坐候得ば曾而かつて不苦、草鞋さうあい布韈ふべつ尤妙に御坐候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
何を女郎ぢよらうめ頬桁たゝく、姉の跡つぎの乞食め、手前の相手にはこれが相應だと多人數おほくのうしろより長吉、泥草鞋ざうりつかんで投つければ、ねらひ違はず美登利が額際にむさき物したゝか
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ふと気付くと蜜柑の木の下に立っている。見覚えのある蜜柑の木だ。蕭条しょうじょうと雨の降る夕暮れである。いつの間にか菅笠すげがさかぶっている。白い着物を着て脚絆きゃはんをつけて草鞋ぞうり穿いているのだ。
いのちの初夜 (新字新仮名) / 北条民雄(著)
そのすがたは股引もゝひき草鞋わらんずにてあたゝかに着てつとむるなり。又寒中裸参はだかまゐりといふあり、家作にかゝはるすべての職人しよくにん若人わかうどらがする事なり。
○同郡学甲庄の新作の草鞋スリッパーを見て
台湾の民芸について (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
コレヲ我ガ四国衆ノ、鎧毛ヨロヒゲモ切レ腐リテ、麻糸ヲ以テツヅリシヲチヤクシ、腰小旗ヲ横ニ、柄長エナガ柄短エミジカノ不揃ヒナル駆ケ草鞋ワラヂノ軍勢ト見較ベンニハ、可笑ヲカシキバカリ、事違ヒテ、上方カミガタ勢トハ似ルベクモナシ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)