“高尚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうしょう58.3%
かうしやう11.7%
けだか6.7%
ノーブル6.7%
かうしゃう3.3%
かうしよう3.3%
かうと1.7%
こうしやう1.7%
こうせう1.7%
こうと1.7%
こうとう1.7%
ハイブロオ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしてこの人なることばはあるいは高尚こうしょうな意味に用いることもあれば、またすこぶる野卑やひなる意味をふくませることもある。たとえば
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
で、其言そのいところつひに一つことしてしまふ。まち生活せいくわつするのはこのましくい。社會しやくわいには高尚かうしやうなる興味インテレースい。社會しやくわい曖※あいまいな、無意味むいみ生活せいくわつしてる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
れよりおこりし生道心なまだうしんなどならば、かへすがへすあさましきことなり、だい一は不憫ふびんのことなり、中々なか/\高尚けだかこヽろもちそこねて、魔道まだう落入おちいるは我々われ/\書生しよせいうへにもあるを
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こゝに宗教あり、而して後に高尚ノーブルなる情熱あり、宗教的本能を離れざる情熱が美術の上に、異妙のヱボルーシヨンを与ふるの力、あに軽んずべけんや。
情熱 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
私たちは忙しくくつやずぼんを脱ぎ、その冷たい少し濁った水へ次から次と飛び込みました。全くその水の濁りやうと来たら素敵に高尚かうしゃうなもんでした。
イギリス海岸 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
故郷くに靜岡しづをか流石さすが士族出しぞくでだけ人品じんぴん高尚かうしようにて男振をとこぶりぶんなく、さいありがくあり天晴あつぱれの人物じんぶついまこそ内科ないくわ助手しよしゆといへども行末ゆくすゑのぞみは十のさすところなるを
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
黄色きいろ、黄色、意気で、高尚かうとで、しとやかな
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
なかには人間にんげん知識ちしき高尚こうしやう現象げんしやうほかには、ひとつとして意味いみのある、興味きようみのあるものはいのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
此頃このごろ軟文学なんぶんがく好著こうちよふ者は世間せけんに地をはらつて無かつた、(書生気質しよせいかたぎの有つた外に)其処そこ山田やまだ清新せいしんなる作物さくぶつ金港堂きんこうどう高尚こうせう製本せいほんで出たのだから、読書社会どくしよしやくわいふるいたらうとふものです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
意気で高尚こうとでハイカラ道具は。昼の日中に公々然と。巡査お医者を立会いさせて。血潮残さず指紋も止めない。ドンナ検事や探偵連中が。不審抱いて調べて見たとて。指もさされぬステキナ手段じゃ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
令夫人は藤色の手柄の高尚こうとう円髷まるまげで袴を持って支膝つきひざという処へ、敷居越にこのつらが、ヌッと出た、と思いたまえ。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どちらを見ても、腰までの黒のゴム長に亜麻油の黒い防水衣という地獄の大鴉レベンのような集団アーミーの中に、高尚ハイブロオ背広スーツで出来のいいワットオの絵というんだから穏やかではなかろう。
南部の鼻曲り (新字新仮名) / 久生十蘭(著)