“黄色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きいろ88.0%
こうしょく2.8%
くわうしよく2.1%
きん1.4%
おうしょく0.7%
おうじき0.7%
きばみ0.7%
きろ0.7%
きんな0.7%
こんじき0.7%
わうじき0.7%
イエロオ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かれは、懐中かいちゅうから、スケッチちょうして、前方ぜんぽう黄色きいろくなった田圃たんぼや、灰色はいいろにかすんだはやし景色けしきなどを写生しゃせいしにかかったのであります。
丘の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
見るものはただち黄色こうしょくを帯びたる淡く軟かき緑色りょくしょくとこれに対する濃きみどりあいとの調和に感じまた他の一作洲崎弁天海上眺望の図においては黄色と橙色とうしょくとの調和を
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
驚く程強い光澤を含んだ黄色くわうしよくに彩られて、其の上には大空が一面思ふさま青く輝き、地平線の境には眞白な雲の列と緑色の白楊樹はくやうじゆが二三本離れ離れに突立つゝたつて居るばかり。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
お綾の手に、抜いた刀はなかったが、貴婦人は二の腕にはめた守護袋まもりぶくろ黄色きんの金具をおさえていたっていう事です。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
然れども当時の板画はことごとく単色の墨摺すみずりにして黒色こくしょく白色はくしょくとの対照を主とし、これにたん及び黄色おうしょく褐色かっしょく等を添付したれども、こは墨摺のあとに筆を以て補色したるものなるが故に
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そこで屋形の船のひとつを私は小手招こてまねく、そこここの薄墨うすずみの、また朱のこもった上の空の、霧はいよいよ薄れて、この時、雲のきれ間から、怪しい黄色おうじきの光線が放射し出した。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
うしろの黒い常磐木ときわぎの間からは四阿屋あずまやわら屋根と花畠はなばたけに枯れ死した秋草の黄色きばみ際立きわだって見えます。縁先の置石おきいしのかげには黄金色こがねいろの小菊が星のように咲き出しました。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
境内けいだい木々きぎ黄色きろいろづいていました。
火を点ず (新字新仮名) / 小川未明(著)
太陽てんとう様が黄色きんなく見えて、生汗なまあせが背中を流れて、ツクツク魚売人さかなうりの商売が情無なさけのうなります。何の因果でこげな人間に生れ付いたか知らん。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
びょうとして、ただ霧のみであった海面にも、チカッと、黄色こんじきの光がねた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のどけくもゆゆしき野火か山越しに黄色わうじきけぶりふたくれあがれり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
黄色イエロオタクシイの運転手に、インチキ英語ブロオクンイングリッシュを使って、とんでもない支那街シナがいに、連れこまれたことも、市場通りマアケットストリイトで、一本五十セントなりの赤ネクタイを買ったことも、今はなつかしい思い出のひとつです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)