“響”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひびき39.4%
ひび25.9%
ひゞ17.0%
ひゞき12.9%
とよ1.1%
おと0.8%
トヨ0.8%
どよ0.5%
0.5%
とどろ0.3%
ひゝき0.3%
ひゞい0.3%
ひヾ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
姉さんは誕生のお祝いに紙に包んだ小さなものを雄二にれました。あけてみると、チリンチリンといいひびきのする、小さな鈴でした。
誕生日 (新字新仮名) / 原民喜(著)
近所きんじょいえの二かいまどから、光子みつこさんのこえこえていた。そのませた、小娘こむすめらしいこえは、春先はるさきまち空気くうきたかひびけてこえていた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「一ならず、二不思議ふしぎたせてらせたに……」ばあさんのこゑついひゞいた。勘次かんじもおつぎもたゞ凝然ぢつとしてるのみである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
串戯じやうだんはよして、些細さゝいことではあるが、おなじことでも、こゝは大力だいりきい。強力がうりき、とふと、九段坂だんざかをエンヤラヤにこえてひゞきわるい。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「卯の花もいまだ咲かねば霍公鳥ほととぎす佐保の山辺に来鳴きとよもす」(巻八・一四七七)等があって、佐保には鳥の多かったことが分かる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
障子が段々だんだんまぶしくなって、時々吃驚びっくりする様な大きなおとをさしてドサリどうと雪が落ちる。机のそばでは真鍮しんちゅう薬鑵やかんがチン/\云って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
此寺の落慶供養のあつたのは、つい四五日アトであつた。まだあの日の喜ばしい騷ぎのトヨみが、どこかにする樣に、麓の村びと等には、感じられて居る程である。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
クリスマス前の銀座は、デコレーションの競いで、ことにともし時のめまぐるしさは、流行の尖端せんたんを心がけぬものは立入るべからずとでもいうほど、すさまじい波がどよみうねっている。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
四千何百トンのふねが三四十度ぐらいに傾いてさ、山のようなやつがドンドン甲板かんぱんを打ち越してさ、ふねがぎいぎいるとあまりいい心地こころもちはしないね
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
全軍一斉に銃射を開始し、喊声かんせいとどろかし、旗幟きしを振って進撃の気勢を示した。水軍も亦船列を整えてかね、太鼓を鳴らして陸上に迫らんとした。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
而も其のうかゝツたところは、かれみづか神來しんらいひゝきと信じてゐたので、描かぬ前の彼の元氣と内心の誇と愉快ゆくわいと謂ツたら無かツた。彼の頭に描かれた作品は確に立派りつぱなものであツたのだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
こぼしゐればお金は不審とまゆしわ平常へいぜいからして親子中のよいと云のは音羽中へひゞいて親に孝行な其お光さんが何した譯でと問ど親子は嘆息たんそくの外に回答いらへもあらざれば一所に置ては面倒めんだうというてお金は無理やりにお光を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
物靜ものしづかにつヽましく諸藝しよげい名譽めいよのあるがなかに、ことのほまれは久方ひさかたそらにもひヾきて、つきまへちゆうなほときくもはれてかげそでにち、はなむかつて玉音ぎよくおんもてあそべばうぐひすねをとヾめてふしをやまなびけん
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)