“眩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まぶ33.8%
くら30.8%
まばゆ9.9%
まば8.0%
ま2.1%
まわ1.7%
く1.6%
まぶし1.6%
めま1.5%
げん1.0%
めくる0.9%
くらま0.7%
くるめ0.7%
まぼ0.7%
めくるめ0.6%
くる0.6%
めまぐる0.5%
めまい0.4%
くらめ0.4%
まは0.4%
めくら0.4%
つぶや0.3%
くろ0.1%
は0.1%
はゆ0.1%
ひどる0.1%
ひらめ0.1%
まちつ0.1%
まどわ0.1%
めくらめ0.1%
めまひ0.1%
も0.1%
よ0.1%
マギラ0.1%
マブ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は僕が庭先に立つてゐるのを認め、しばらく眩(まぶ)しげにこちらを眺めたかと思ふと、急に人なつこい微笑をうかべて、お辭儀をした。
南方 (旧字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
一種、眼の眩(くら)みそうな臭(におい)が室内に漲(みなぎ)って、周蔵は起上って坐っていたが、私の入って来ると同時にまたごろりと眠(ね)ころんでしまった。
黄色い晩 (新字新仮名) / 小川未明(著)
雲の峰は崩れて遠山の麓(ふもと)に靄(もや)薄く、見ゆる限りの野も山も海も夕陽の茜(あかね)に染(そ)みて、遠近(おちこち)の森の梢(こずえ)に並ぶ夥多(あまた)寺院の甍(いらか)は眩(まばゆ)く輝きぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分にすぎた筒井であっただけ眩(まば)ゆいばかりの妻を得ていることが、どういう倖(しあわ)せにも増して底の深い倖せであったことであろう。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
と云うと今度はその小窓と反対側の低い扉(ドア)を開けて、そこに掛かっている鉄の梯子(はしご)伝いに奇妙な眩(ま)ぶしい広い部屋へ降りて来ました。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
半「そんな事を云ってもいかんよ、悪事を平気な泥坊とはいいながら、目を眩(まわ)した儘(なり)お蘭さんを此の本堂の下の石室(いしむろ)の中へ生埋(いきうめ)にしたね」
おれは目が眩(く)らみながら、仰向(あおむ)けにそこへ倒れてしもうた。おれの肉身に宿らせ給う、諸仏(しょぶつ)諸菩薩(しょぼさつ)諸明王(しょみょうおう)も、あれには驚かれたに相違ない。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そして夕方には久しぶりで、太陽が眩(まぶし)く輝きだした。「あすはお月さまにかくされることも知らないで、お日さまは煌々(こうこう)と照っていますね」
日食記 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
貨幣の下落は、それほど庶民を眩(めま)いさせていた。いう迄もなく、物価はハネ上り、ことしも、上り脚の一方をたどっている。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
怪しきかな、恋愛の厭世家を眩(げん)せしむるの容易なるが如くに、婚姻は厭世家を失望せしむる事甚だ容易なり。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
奇しくも黄金(わうごん)の十字の紋章かゞやきいだし、感激に眩(めくる)めく一使徒がバプテスマの河をよろめき足して岸に這ひあがるごとく
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
翌日になると刺すやうな風が新たな、眼を眩(くらま)せるやうな降雪をもたらした。暮方迄には、谷は埋り、人通りも殆んど難かしかつた。
私は、目が眩(くるめ)いて四辺(あたり)が暗くなる様な気がすると、忽ち、いふべからざる寒さが体中を戦(をのの)かせた。皆から三十間も遅れて、私も村の方に駈け出した。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
時刻は暮に近い頃だったから、日の色は瓦(かわら)にも棟(むね)にも射さないで、眩(まぼ)しい局部もなく、総体が粛然(しゅくぜん)と喧(かま)びすしい十字の街(まち)の上に超越していた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
答は無くて揮下(ふりおろ)したる弓の折は貫一が高頬(たかほほ)を発矢(はつし)と打つ。眩(めくるめ)きつつも迯(にげ)行くを、猛然と追迫(おひせま)れる檳榔子は、件(くだん)の杖もて片手突に肩の辺(あたり)を曳(えい)と突いたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ブンと風をきり、五十米(メエトル)も海にむかって、突き刺さって行く槍の穂先(ほさ)きが、波に墜(お)ちるとき、キラキラッと陽に眩(くる)めくのが、素晴(すばら)しい。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
たださえ暑い陽が一層眩(めまぐる)しく、じっとりと手足が汗ばんできて、痛いほど全身が擽(こそぐ)り回されるような、気がしてくるのです。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
上物の鎧(よろい)だけでも三、四十領(りょう)、ほか具足やら腹巻やら、数(かず)と来たら、ちょっと、眩(めまい)がしそうな程のお誂(あつら)えだ。ただ弱ったのは日限さ。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先づ雲に隱れた巨人の頭(かしら)を染め、ついで、其金色の衣を目も眩(くらめ)く許に彩り、軈て、普(あま)ねく地上の物又物を照し出した。朝日が山の端を離れたのである。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
塒(ねぐら)に枝(えだ)を爭(あらそ)つて、揉拔(もみぬか)れて、一羽(いちは)バタリと落(お)ちて目(め)を眩(まは)したのを、水(みづ)をのませていきかへらせて、そして放(はな)した人(ひと)があつたのを覺(おぼ)えて居(ゐ)る。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
それは皆、眩(めくら)むばかりの力で「闇夜」の中を運ばれてゆく脆(もろ)い小舟の上に、相並んで結びつけられてる悲惨の仲間であった。
「どうも、失敗(しくじ)ってばかりいる」と、にんじんは眩(つぶや)く——「それに奴(やつ)らのきたねえ涎(よだれ)で、こら、指がべたべたすらあ」
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
もて業となす醫師ゆゑ惡き荷擔(かたん)はせずと奉行に向ひ立派(りつぱ)に云ひ眩(くろ)めんとこそ計りしが今我面(わがかほ)を見知たる和吉が出しに發(はつ)と計り驚(おどろ)き怖(おそ)れて面色(めんしよく)土(つち)の如くに震(ふる)ひ出せば忠相(たゞすけ)ぬしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
強(つよ)し、烈(はげ)し、あまりに眩(は)ゆし
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ああ運命の眩(はゆ)きをも
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
「鯱が眩(ひどる)いようでしょう?」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
が、やがて眼が微光の眩(ひらめ)きに慣れるにつれて、それが疑いもなくくらであり、しかも歯のない口をあんぐりと開いて、そこからすやすや、寝息が洩れているのを知った。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「本當(ほんたう)に暖(ぬくと)く成(な)つたんだよなあ日輪(おてんとさま)まで酷(ひど)く眩(まちつ)ぽくなつたやうなんだよ」おつぎは例(れい)の少(すこ)し甘(あま)えるやうな口吻(くちつき)で一枚(まい)の掛蒲團(かけぶとん)をとつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして月桂樹の冠はFなる魔法使いの頭に落ち、Fなる魔法使いは、その名誉ある冠を以て、空想の少女を眩(まどわ)さんとし、猩々緋(しょうじょうひ)の舌を動かします。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
盛綱めも今朝は、眩(めくらめ)くほど、すき腹になり申した
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汗みづくになつて滝を描(か)き、山を描(か)き、鶴を描(か)き、亀を描(か)き、洋妾(らしやめん)のやうな観音様を描(か)き、神戸市長のやうな馬を描(か)きしてゐるうちに、到頭眩(めまひ)がして自分にも判らぬやうな変な物を描(か)き出した。
北枕なぞを喰うた後で、外へ出て太陽光(ひなた)に当ると、眼が眩(も)うてフラフラと足が止まらぬ位シビレます。その気持の良(え)え事というものは……。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「いえ、それでしたら御心配いりませんわ。私、もう五、六年も毎年葵原と一緒にヨットの練習をやっているんですもの——一度だって、眩(よ)ったこと御座いませんの——」
葵原夫人の鯛釣 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
雲海の直射を受けて 眩(マギラ)はし。機躰久しく高度をたもつ
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)
ソハアマリニ眩(マブ)シ。
光ノミ (新字旧仮名) / 北原白秋(著)