“甍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いらか96.8%
かわら1.9%
がわら0.6%
ぼう0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
洛内四十八ヵ所の篝屋かがりやの火も、つねより明々と辻を照らし、淡い夜靄よもやをこめたたつみの空には、羅生門のいらかが、夢のように浮いて見えた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左が一段高く、そこの樹林の中をくぐると、並んではいますが棟が別で、落葉のままにかわらが見えます。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの煙突の真下の赤い西洋がわらは、なんとかいう有名な将軍のものであって、あのへんから毎夜、謡曲のしらべが聞えるのだ。赤い甍からしいの並木がうねうねと南へ伸びている。
彼は昔の彼ならず (新字新仮名) / 太宰治(著)
仰ぐと、黄金のぼう白碧はくへき楼台ろうだい、大坂城の大天守閣は、市のどこからでも見える。三郎兵衛は田舎者のように、大路小路を迷って、ようやく、脇坂甚内の邸をたずねあてた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)