“口吻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くちぶり51.8%
こうふん45.2%
くちつき0.7%
くちづけ0.7%
くちうら0.3%
くちさき0.3%
くちづ0.3%
くちまね0.3%
ものいひ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『御案内した眞意をお話しする』如何にも魂膽のありさうな口吻くちぶりだつたので自分も不覺つい氣が急いて、飯も食はずに急いで飛び出した。
媒介者 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
燕雀生は必しも才人と言つてはならぬと言はず、しかしならぬと言はぬうちにもならぬらしき口吻こうふんあれば、下問を仰ぐこと上の如し。
念仁波念遠入礼帖 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
本當ほんたうぬくとつたんだよなあ日輪おてんとさままでひどまちつぽくなつたやうなんだよ」おつぎはれいすこあまえるやうな口吻くちつきで一まい掛蒲團かけぶとんをとつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一度ひとたび、アレナノ会堂ニおもむキテ、ジョットーノ描キタル、ユダノ口吻くちづけスル耶蘇ノ面貌ヲ見タランモノハ、粛然トシテ恐レ、ここニ神人ナザレ村ノ青年ヲ見ルト共ニ
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と、道謙の口吻くちうらは、なお尊氏の文事の素養をいくぶんうたぐって、それをはかるような容子でないことでもなかった。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マスクの上から鼻をおさえてみると、なにかお猿の口吻くちさきのようにピョコンと飛び出しているものがあって、その間から呼吸いきが通うらしく、そして何だか薬品の匂いらしい涼しい香りがした。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
獅子の口から洩れる聖らかな水に口吻くちづけする「凱旋の泉」として崇められたものである、とのことだつた。
山彦の街 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
百人に一人位真摯まじめなものもあるかも知れないが、大抵は卒業すると直ぐ気障きざ扮装なりをして新聞受売の経済論や株屋の口吻くちまねをしたがる。
青年実業家 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
マーキュ 白癩びゃくらい、あのやうな變妙來へんめうらいな、異樣おつ氣取きどった口吻ものいひをしをるやつくたばりをれ、陳奮漢ちんぷんかんめ! 「イエスも照覽せうらんあれ、拔群ばっくん劍士けんしでござる! いや、拔群ばっくん丈夫ますらをでござる!」