“口説”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くど76.4%
くぜつ13.3%
くどき7.1%
クドキ1.0%
くどく0.6%
くどけ0.3%
くどい0.3%
くどか0.3%
クゼチ0.3%
クゼツ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「まさにその通り、ありゃ女房の虎の子にしていた、お袋の形見だよ。何べん口説くどいても、あればかりは質に入れさせなかった品で」
近頃はお角の弟子達を全部断って、肌寒くなりまさる晩秋の一夕いっせきを、長火鉢を挟んで口説くぜつの糸をたぐるのに余念もなかったのです。
賣てとかき口説くどき親子の恩愛おんあいかう暫時しばしはても無りけり漸々やう/\にしてつまお安はおつなみだ押拭おしぬぐ夫程迄それほどまでに親を思ひ傾城遊女けいせいいうぢよと成とても今の難儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
普通我々が言ふ長篇の口説クドキ節以外に、どゝ逸に近い形の——なげ節以前から見えて居る傾向の——短い口説が出来て居つて、其が長い叙事詩の代りをして居つた。
さア/\/\と糶詰せりつめのちは男がそれまでに思召すのをなどと申して、いやらしい振になって騒ぎを起しまするが、女の子が男を口説くどく秘法は死ぬというが何より覿面てきめんでげす。
執心しふしんし種々口説くどけどもをつとある故從ひ難しと申が夫なくんば我が心に從ふやと云ふにお梅は差俯向さしうつむきしまゝ答へを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そうか、急勝せっかちだから、いけねえ。苦味走にがんばしった、色の出来そうな坊主だったが、そいつが御前おまえさん、レコに参っちまって、とうとうふみをつけたんだ。——おや待てよ。口説くどいたんだっけかな。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
よもや忘れは成るまじとかき口説くどかれて千太郎は何と答へも面目めんぼくなくきえも入たき風情ありさまなりやゝあつて久八に向ひ段々の異見いけん我が骨身ほねみこたへ今更わびんも樣なし以後は心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
憂愁の文学が、陰鬱な時代に出て来るとすれば、其は愚痴文学であり、口説クゼチの文学に過ぎぬであらう。
文芸の力 時代の力 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
文學は口説クゼツの藝術であつた。その爲に内に持たれてゐるものは、人の心へ直に論理的にはたらきかけた。だから人々は、各その人生を以て文學を受けとらうとした。
文学を愛づる心 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)