“漸々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ようよう27.6%
ぜんぜん17.2%
だんだん14.7%
やう/\9.8%
よう/\8.0%
やうやう8.0%
だん/\6.1%
だん/″\4.3%
ぜん/\1.8%
おひ/\0.6%
ずんずん0.6%
そろそろ0.6%
ヤウヤウ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
など話しながら、足は疲労くたびれても、四方あたりの風景のいのに気も代って、漸々ようよう発光路に着いたのがその日の午後三時過ぎでありました。
人間の脳髄は胎内発生の初期より成人になるまでの間に漸々ぜんぜん発達するものゆえ、これにも無数の階段があるが、今その中から便宜上
脳髄の進化 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
漸々だんだん毛が抜け変って赤くなります。」といった。私は、好い加減なうそをいうのだと思って、別に「うか。」とも答えなかった。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
番頭久八は大いに驚き主人五兵衞へ段々だん/\詫言わびごとに及び千太郎には厚く異見いけんを加へ彼方あち此方こち執成とりなしければ五兵衞も漸々やう/\いかりを治め此後を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此の人も色々そこなってそんをいたして居りますが、漸々よう/\金策を致しまして三千円持って仕入れに参りまして、春見屋へ来まして。
宿直室に起臥ねおきしてゐる校長が漸々やうやう起きて顔を洗つたばかりのところへ、二里の余も離れた処にある分校の目賀田といふ老教師が先づ来た。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
漸々だん/\大宮の宿しゅくを離れて、桶川おけがわを通り過ぎ、こうの手前の左は桑畠で、右手の方は杉山の林になって居ります処までまいりました。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
嘉「へえ、是はいらっしゃいまし、久しくおいでがごぜえませんでしたな、漸々だん/″\秋も末になってめえりまして、毒虫も思うようにれねえで」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
然し此姉このあね迄が、いまの自分を、ちゝあにと共謀して、漸々ぜん/\窮地にいざなつてくかと思ふと、流石さすがに此所作しよさをたゞの滑稽として、観察する訳にはかなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
含羞草おじぎさうが感情的に動くの、或植物は漸々おひ/\に自己の所在地を變更して、歩行するが如き觀をなすのと云つたところで、それは物理生理の然らしむるので、心理の然らしむるのでは無いやうである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
真黄まっきに咲いた日廻草ひまわりそうは、脊高く延びて、朝日が、まだ東の空をほんのりと染めた間際まぎわに東を向いて開いたかと思うと、日が漸々ずんずん上って、南へ南へと廻る時分には、この大きな黄色の花輪は
(新字新仮名) / 小川未明(著)
その内に漸々そろそろ又おきまりの気障きざな話を始めやがつて、這箇こつちが柳に受けて聞いてゐて遣りや、可いかと思つて増長して、あきれた真似まねを為やがるから、性の付く程諤々つけつけさう言つて遣つたら
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
其レヨリ漸々ヤウヤウ、敵味方モ見分ケタリ。後ニテ聞ケバ、柴田方ノ戸波隼人トテ由々ユユシキ豪ノ者ナリシ由ニテ、其時ノ一番槍トモハレタレ
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)