“口籠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くちごも86.9%
くちご6.0%
くごも2.4%
くつこ2.4%
くちごもり1.2%
くつご1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信一郎が口籠くちごもりながら何か云おうとしたときに、呼鈴に応じて先刻の小間使が顔を出した。夫人は冷静な口調で、ハッキリと云った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
少年はこう言って急に口籠くちごもりながらじっと私の顔を見た。その黒いは熱誠にまばたき、その白い頬は見る見る真紅まっかに染まって来た。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
我ははしりて姫の前に出で、白く細き右手に接吻せり。姫はアントニオと我名を呼び掛け給ひしが、流石にしばし口籠くごもりて、世にさちある人となり給へ、さらばとて、我額に接吻し給ふ。
この要旨を布衍ふえんして、命を惜しい人は皆烏天狗のようなマスクをつけて歩いた。恐水病きょうすいびょうの流行った頃口籠くつこめられて難渋したことのある畜犬共は
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
唯この狭い密房の中より発するわが不束な口籠くちごもりならば、或は愍み給はむも知れぬ。しゆよ、かゝる老の身の予は、今こゝに白衣を着て御前に伺候しこうし奉る。
法王の祈祷 (新字旧仮名) / マルセル・シュウォッブ(著)
そのあいだ私はなにも言わなかった。ジュピターは主人の合図で道具を寄せはじめた。それがすんでしまい、犬の口籠くつごをはずしてやると、我々は黙りこくって家路へとついた。
黄金虫 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)