“幸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さいわい37.2%
さち14.2%
さいわ13.1%
さいはひ11.3%
さいは5.2%
こう3.4%
さき2.2%
しあわせ2.0%
しあわ1.7%
かう0.9%
みゆき0.9%
さひはひ0.8%
さい0.6%
さひは0.5%
0.5%
さきは0.5%
しあは0.5%
しあはせ0.5%
ゆき0.3%
ブリス0.3%
ねが0.3%
サキハ0.3%
0.2%
いでま0.2%
こいねが0.2%
さいわひ0.2%
さきわ0.2%
さちは0.2%
さひはい0.2%
さひわひ0.2%
ざいわ0.2%
ざいわい0.2%
せえわ0.2%
たの0.2%
ちは0.2%
カウ0.2%
サイワイ0.2%
サキ0.2%
サキク0.2%
サキハヒ0.2%
サチ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
全くその株を奪われたる事になりしとかもうし候、この記事が動機となりて、今年より多くの登山者を出すを得ば、さいわいこれに過ぎずとぞんじ
越中劍岳先登記 (新字新仮名) / 柴崎芳太郎(著)
天の王宮に在りて汝のために心を勞し、かつわが告ぐるところかく大いなるさちを汝に約するに汝何ぞ勇なく信なきや 一二四—一二六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
さいわい、わたしたちは、みんなよくかお人間にんげんているばかりでなく、どうからうえ人間にんげんそのままなのであるから——さかな獣物けもの世界せかいでさえ
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
清淨しやうじやうみづでもければ、不潔ふけつみづでもい、でもちやでもいのである。不潔ふけつみづでなかつたのは、りよがためには勿怪もつけさいはひであつた。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
さいはひお前の文身ほりものを洗ひ落すついでに、一皮いでやらうぢやないか、石原の利助を三助にするなんざア、お前に取つちや一代のほまれだ
お金のおふくろのおこうというのが今度の事件について先ずお調べを受けました。神明の境内で起った事件ですから、寺社奉行の係です。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
 明けくれば 国のかためを 身もあらに 瞑想おもひこらしつ 天皇すめらぎの まさきせと おみなべて 和ぐ日をや 民なべて らふ時を
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
などと、いつも悪体あくたいをつくのです。母親ははおやさえ、しまいには、ああこんなならうまれないほうがよっぽどしあわせだったとおもようになりました。
舟にそれを乗せて湖水こすい水葬すいそうしたことなどを思いうかべて、まだ子をたずねる母、たずねらるる子は、しあわせであるように考えられた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
持し其翌年女子一人出生しければ夫婦ふうふの喜び云ばかりなく其名をおかうつけ兩人の中のかすがひと此娘お幸が成人するを明暮あけくれたのしみくらしけるとぞ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
〈近日しきりに神泉苑にみゆきす、その中彘猟ていりょう致さるるの間、生ける猪を取るなり、りて池苑を掘り多くの蛇を食す、年々池辺の蛇の棲を荒らすなり
勝平は、叱り付けるやうに怒鳴ると、丁度勝彦の身体が、多勢の力で車体から引き離されたのをさひはひに、運転手に発車の合図を与へた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
「あはははは、なるほど、まだ前祝まえいわいは少し早いな、では後祝あといわいにいたして、じぶんがご一同にかわり、まずさいさきを祝福しゅくふくしておく」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重四郎はこれさひはひと娘の部屋へやのぞき見れば折節をりふしお浪はたゞひと裁縫ぬひものをなし居たるにぞやがくだんのふみを取出しお浪のそでそついれ何喰なにくはかほ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「橘の美衣利みえりの里に父を置きて道の長道ながては行きがてぬかも」(同・四三四一)、「父母がかしらかきく在れていひし言葉ぞ忘れかねつる」(同・四三四六)等である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
さてこの王宮をさきはふ善こそ、或は低く或は高く愛のわが爲に讀むかぎりの文字もじのアルファにしてオメガなれ。 一六—一八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「この謎の假名文字を讀むと、決してしあはせなことはございませんが、それでも讀みたいと仰しやるでせうか」
この婦人は他の事でもつと聞えてもよいのだが、しあはせ不幸ふしあはせか、いつも男装をしてゐるので、それで一層名高くなつてゐる。
するとゆきは少し周章あわててまた二つ三つ桟を向うへ渡ってから彼の方を振り向いた。
御身 (新字新仮名) / 横光利一(著)
この一刻のブリスから生ずる永久の苦痛がその時卒然として、代助の頭を冒して来た。彼の唇は色を失った。彼は黙然もくねんとして、我と吾手わがてを眺めた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかれども十六日の口書、三奉行の権詐、吾れを死地におかんとするを知りてより、さらに生をねがふの心なし、これまた平生学問の得力しかるなり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
所謂「言霊のサキハふ国」とは、言語の精霊が不思議な作用を表す、と言ふ事です。つまり、言葉の持つて居る意義通りの結果が、そこへ現れて来ると言ふ事が、言霊の幸ふと言ふ事です。
国語と民俗学 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
問ひて曰はく、「今天つ日高の御子虚空つ日高、うはくに一九でまさむとす。誰は幾日に送りまつりて、かへりごとまをさむ」と問ひき。
夏のはじめつころ、天皇埴安はにやすの堤の上などにいでまし給ふ時、かの家らに衣をかけほしてあるを見まして、実に夏の来たるらし、衣をほしたりと、見ますまに/\のたまへる御歌也。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
十六日の口書くちがき、三奉行の権詐けんさわれ死地しちかんとするを知り、ってさらに生をこいねがうの心なし、これまた平生へいぜい学問のとくしかるなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
山田やまだます/\親密しんみつになるにけて、遠方ゑんぱうから通ふのは不都合ふつがふであるから、ぼくうち寄宿きしゆくしては奈何どうです、と山田やまだつてくれるから、ねがうても無きさいわひと、すぐきふをつて、郷関きやうくわんを出た
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
山門やまとはもうまし耶馬台やまと、いにしへの卑弥乎ひみこが国、水清く、野の広らを、稲ゆたに酒をかもして、菜はさはに油しぼりて、さちはふや潟の貢と、うづの貝・ま珠・照るはた。見さくるやわらべが眉に、霞引く女山ぞやま・清水。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
周三はさひはいに、頑冥ぐわんめいな空氣を吸つて、温順おんじゆん壓制君主あつせいくんしゆ干渉かんしよう服從ふくじうしてゐたら、兵粮の心配は微塵みじんもない。雖然彼の城は其の根底がぐらついてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
さひわひにも艇中ていちうには端艇たんてい本船ほんせん引揚ひきあげるとき使用しようする堅固けんごなる鐵鎖てつぐさりと、それに附屬ふぞくして鉤形つりばりがたの「Hookフツク」がのこつてつたので、それをはづして、フツク只今たゞゐま小鰺こあぢつらぬいてやをら立上たちあがつた。
この鸚鵡のみは、いかにしてかあの姉君を憎めるがこぼれざいわいにて、いまも飼われ侍り。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この鸚鵡のみは、いかにしてかあの姉君を憎めるがこぼれざいわいにて、今も飼はれ侍り。さならずや。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「はッ、はッ、はッ、何がせえわいになるものだかわからねえ、また何が間違えになるものだかわからねえ、人間万事塞翁さいおうが馬よ、馬には乗ってみろ、人には添ってみろだ」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
源が歌う声えまさりつ。かくて若き夫婦のたのしき月日は夢よりも淡く過ぎたり。独子ひとりご幸助こうすけ七歳ななつの時、妻ゆりは二度目の産重くしてついにみまかりぬ。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
 君に見すれば 男の神も 許し給ひ 女の神も ちはひ給ひて 時となく 雲ゐ雨ふる 筑波嶺を さやに照して いぶかしき 国のまほらを
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
伊吹山太平護国寺ニカウ
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
レ、仏日没ストイエドモ、余輝ヨキ未ダ隠レズ、法水ホウスイ乾クト雖モ、遺潤イジュンナオ存セリ。吾等、コレニヨリテ毒酔ドクスイヲサマシ、之ニヨリテ覚芽カクガキザス。アニサイワイニアラズヤ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
サヽナミの滋賀の辛崎、サキくあれど、大宮人の船待ちかねつ(人麻呂——万葉巻一)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「これのハバカや、薄赤ウスホに白き、万家ヨロズヤに花咲くは、サキクに咲くらむ、寿ホキくにさくらむ、ウツし花かも、なりに、」
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
キミ」「ユキ」「御酒ミキ」「ツキ」「オキ」「る」「カキ」「サキ」「オキナ」「昨日キノフ」「キヨ」「常盤トキハ」「アキラメ」「サキハヒ」「杜若カキツハタ」「行き」「き」「分き」「吹き」「
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
後、コノ下総原ニ一ボウオクト田ヲ獲、年経ルママ思エドモ、山河ヲ隔テ、又消息ヲ絶ツノ今、カエッテ子ノサチニ如何アルベシナド思イ、イツシカ歳月ノ流レニマカセオワンヌ。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)