“裁縫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しごと39.5%
さいほう32.9%
おしごと7.9%
おはり6.6%
こしら2.6%
たちぬい2.6%
たちぬひ1.3%
てど1.3%
ぬいはり1.3%
ぬひもの1.3%
はぬい1.3%
はり1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時分四十位の中柄ちゅうがらの男で勢いの好い、職人はだで、平日しじゅうどてらを着ていた。おかみさんが、弟子のそばで裁縫しごとをしていたものだ。
「上野ですか、ハイおツリでちゅ」ぐらいならよいが、家の中を飛び廻って裁縫さいほうする妻、洗濯せんたくしている女中にも、一々聞いてまわる。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
裁縫おしごともよくするし髪も巧者じょうずに結うし、なんでもかでも女の通りよ。だけど男だっていうの、女の通りに育てられた男だっていうの。
上塩町地蔵路次の裏長屋に家賃五円の平屋を見付けてそこに移ると、早速、裁縫おはり教えますと小さな木札を軒先につるした。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
『今夜あの衣服きもの裁縫こしらへて了へば、明日幾何いくらか取れるので御座んすけれど……たつた四錢しか無かつたもんですから。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
煙管きせる真鍮しんちゅうまで承って、裁縫たちぬいの指ぬきの、いまも名誉の毛彫のたがねが、針たての穴をたたいていなすったって処だって言いますもの、職人に取っては、城一つ、国一郡ひとこおり、知行されたほどの、その嬉しさ。
見る如く淨瑠璃じやうるり三絃さみせんの外は正敷事たゞしきことを一ツもをしへずことに女の爲べき裁縫たちぬひの道は少しもらず自然しぜんとうは/\しきことにのみ心をかたむけしこと淺猿あさましけれこゝに白子屋の商賣しやうばいかゝりてしやう三郎が名代を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「そんなこと言ったって、じんつあまや。何しろまだ十六だもの……裁縫てどなれえにもやんねえのだもの、かんげえで見ればこのわらしも……」
緑の芽 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
ようよう妙齢としごろになって来ると、裁縫ぬいはりだけは別として、茶の湯、生花、双六、歌留多、琴、三味線、手踊りのたぐいを自分の手一つで仕込んだ上に、姿が悪うなると言うて
重四郎はこれさひはひと娘の部屋へやのぞき見れば折節をりふしお浪はたゞひと裁縫ぬひものをなし居たるにぞやがくだんのふみを取出しお浪のそでそついれ何喰なにくはかほ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
裁縫はぬいをすとていねむりて
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
彼女は兩親がくなつてから何年になるかといた。それから、幾歳いくつになるか、名は何んと云ふのか、讀んだり、書いたり、お裁縫はりが少しは出來るかといた。