“冴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
88.5%
さえ5.4%
5.0%
さや0.6%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
思いなしかその死んで凍えてしまった小十郎の顔はまるで生きてるときのようにえして何か笑っているようにさえ見えたのだ。
なめとこ山の熊 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
……ふた黄金無垢きんむくの雲の高彫に、千羽鶴を透彫すかしぼりにして、一方の波へ、毛彫のさえで、月の影をさっと映そうというのだそうですから。……
思いなしかその死んで凍えてしまった小十郎の顔はまるで生きてるときのようにえして何か笑っているようにさえ見えたのだ。
なめとこ山の熊 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その間に月が変って十月になり、長い間降りつづいた秋霖あきさめれると、古都の風物は日に日に色を増して美しくびてゆくのがさやかに眼に見えた。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
モチの夜の月がえて居た。若人たちは、今日、郎女の織りあげた一反ヒトムラ上帛ハタを、夜の更けるのも忘れて、見讃ミハヤして居た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そのみきったよくみがかれた青ぞらで、まっ白なけむりがパッとたち、それから黄いろな長いけむりがうねうね下って来ました。それはたしかに、日本でやる下りりゅう仕掛しかけ花火です。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)