“呼吸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いき91.8%
こきふ2.6%
こきゅう2.6%
こきう0.9%
いぶき0.6%
いきづ0.3%
こつ0.3%
いきづかひ0.2%
えき0.2%
きあひ0.2%
こきゆう0.2%
コツ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「義さん」と呼吸いきせわしく、お香は一声呼びけて、巡査の胸にひたいうずめわれをも人をも忘れしごとく、ひしとばかりにすがり着きぬ。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
めてそんなものが一ぷくでもあつたらとおもつた。けれどもそれ自分じぶん呼吸こきふする空氣くうきとゞくうちには、ちてゐないものとあきらめてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一年もたつうちには、ちょっとした呼吸こきゅうでもって、屋根や木の枝やその他の高い所から、わけなく飛び下りられるようになりました。
彗星の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
まぶたぢて、ひとみちる光線を謝絶して、静かにはなあな丈で呼吸こきうしてゐるうちに、枕元まくらもとはなが、次第にゆめほうへ、さわぐ意識をいて行く。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
廃頽詩人ヴェルレイヌ、おんみだけだ! 知っている者は! 秋の呼吸いぶきを、落葉の心を、ひとり死に残った蛾の魂を。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今はすさまじく荒れ果てて器具も調度も頽然たいぜんと古び御簾みすふすまも引きちぎれ部屋に不似合いの塗りごめのがんに二体立たせ給う基督キリストとマリヤが呼吸いきづく気勢に折々光り
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と言つた調子で、松太郎は、繼母でもあしらふ樣に、寢床の中擦り込んで、布團をかけてやる。渠は何日しか此女を扱ふ呼吸こつを知つた。惡口は幾何吐いても、別に抗爭てむかふ事はしないのだ。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
足袋裸足で痛痛しい、胸が開張はだけて、雪の肌が白百合の匂ひ、島田の根が外れて忙しい呼吸いきづかひである。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
當藥たうやくせんして氣日まいんち片口かたくちで五へえづゝもんだな、五がふぐれえへえつけべが、呼吸えきつかずだ、なあに呼吸えきついちやにがくつてやうねえだよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
見はり椀だに明かば投げ込んと盛り替の蕎麥を手元へ引つけて呼吸きあひはかり若き女其後そのうしろにありて盛替々々續けたり今一人は汁注しるつぎを右に持ち中腰にて我々の後より油斷を見てつゆ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
たがひ身體しんたい丈夫じようぶでなければ何事なにごと出來できませんから、あたらしい空氣くうき呼吸こきゆうと、十分じゆうぶん日光浴につこうよくと、運動うんどうとによつて食物しよくもつをうまくべることが一番いちばん大切たいせつです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
そうかと思うと沖買いの呼吸コツを握り込んで「売るなら買おう」「買うなら売るぞ」
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)