“吹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
88.7%
ふき4.6%
ふか2.0%
ふい1.1%
すい0.6%
ふく0.6%
ふっ0.4%
ぷく0.4%
0.2%
0.2%
すひ0.2%
のみ0.2%
ふつ0.2%
0.2%
0.2%
フイ0.2%
フキ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
にぶ砂漠さばくのあちらに、深林しんりんがありましたが、しめっぽいかぜく五がつごろのこと、そのなかから、おびただしいしろ発生はっせいしました。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
硫化水素の臭いが四辺をこめ、山や丘陵や、赤松や、濛々もうもうたる蒸気の間から、ふきなびく風のまにまに隠見する趣きは、一種の地獄風景観を形作る。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
朝飯あさはん珈琲コーヒーもそこ/\に啜り終つて書齋の襖をあけると、ぼんやり天井を眺めて卷煙草を遠慮なしにふかして居た黒川は椅子から立ち
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
それは「どうも困ります」のくもった日で、桑畑をふいて来る湿った風は、宿の浴衣ゆかたの上にフランネルをかさねた私の肌に冷々ひやひやみる夕方であった。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すると、蕭々しょうしょうたる平沙へいさよし彼方かなたにあたって、一すい犀笛さいぶえが聞えたと思うと、たちまち、早鉦はやがねや太鼓がけたたましく鳴りひびいた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御行おぎやうの松にふくかぜ音さびて、根岸田甫たんぼ晩稲おくてかりほす頃、あのあたりに森江しづと呼ぶ女あるじの家を、うさんらしき乞食小僧の目にかけつゝ、怪しげなる素振そぶりあるよし
琴の音 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「しかし——何故なぜ此奴こいつ等は僕に喧嘩をふっかけてきたのだろうな、一騎討をやろうなんて」
黒襟飾組の魔手 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
なかなかおちついたもので,それから悠然ゆうぜんと、ダロク張りの煙管きせるへ煙草を詰め込み、二三ぷくというものは吸ッては吹き出し、吸ッては吹き出し、それからそろそろ立ち上ッて
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
紫羅傘いちはつだよ、この山にはたくさんく。それ、一面に。」
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
博士はほつと一息突いて、埃及烟草エヂプトたばこに一本火を附けた。一すひうて、灰皿の上に置いて、今一息だといふので勇を鼓して、カラアやカフスやハンカチイフなどを革包に入れた。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
博士はほつと一息突いて、埃及烟草エヂプトたばこに一本火を附けた。一すひうて、灰皿の上に置いて、今一息だといふので勇を鼓して、カラアやカフスやハンカチイフなどを革包に入れた。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
さて是より熊のはなし也、今一盃たまはるべしとてみづからつぎてしきりにのみこしより烟艸帒たばこいれをいだしてたばこのみなどするゆゑ、其つぎはいかにとたづねければ、老父らうふいはく、さてかたはらを見ればくゞるべきほどの岩窟いはあなあり
松公はこの四五日、姿も見せない。お大は頭腦あたまも體も燃えるやうなので、うちじつとしてゐる瀬はなく、毎日ぶら/\と其處そこら中彷徨うろつきまはつて、妄濫むやみやたらと行逢ふ人に突かゝつて喧嘩をふつかけて居る。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
だが、さけんで反応はんのうがなかったように、そのかいがとおく八ごうへ鳴りひびいていっても、外城そとじろさくから、こたえきの合わせがいが鳴ってこなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思ふに「上り」を語原と主張する為には、五月幟風のき・吹き流しの類を「のぼり」と言うた確かな証拠が見出されてから、マタの御相談である。
まといの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
憶老杜ラウトヲオモフ髭風ヒゲカゼフイ暮秋ボシウタンズルハゾ」「夜着は重し呉天ごてんに雪を見るあらん」
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あるじはと 人もし問はゞ、軒の松 あらしといひて、フキかへしてよ(阿須波山にすみけるころ)
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)