絶望ぜつぼう
『オイ/\何處へ行くんだよ。』 とお大と云ふ裏町のお師匠さんが、柳町の或寄席の前の汚い床屋から往來へ聲をかける。 聲をかけられたのは、三人連の女である。孰も縞か無地かの吾妻に、紺か澁蛇の目かの傘を翳して、飾し込んでゐるが、聲には氣もつかず、 …
作品に特徴的な語句
ばつた ちよツ ぴつた ふつ ひよい しきり しまひ おぼへ ちひさ 加之おまけに あし 頭髮 あぶね どつち かん うへ とほり 吾妻アヅマコート こゝ 苦笑にがわらひ ねめ 加之それに 眞實ほんとう ますま さう 滿つま あはれ すき なく 今日こんち 入込はいりこ からま 素通すどほり 笑談じやうだん 畜生ちきしやう にえ かへり かみ 此方こつち 如何どう やが たゝき 散々さんざ いづれ すり かけ 柳町やなぎちやう ひもじ めか にげ 艴然むき 色情さかり 自惚のろけ ふくら 稼業かげふ あて じつ きたな これ 明瞭はつきり 振顧ふりむ ふり いよい 必然きつと 彷徨うろつ 周圍あたり 出前でまへ だい 口説くどき もり 嫣然につこり ばつ うるさ 臺所だいどこ たゞ あはせ ひとり 横肥よこぶとり 口前くちまへ なん 這出はひだ 昨日きのふ 昨夜ゆふべ 其角そのかど 半襟はんゑり 姿なり おれ 不可いけな ふう 顏構つらがまへ 餘程よつぽど 彼樣あん 手捷てばしこ 十歳とを