“不可”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いけ40.0%
いけな20.5%
いか15.0%
いかん8.4%
いけない5.0%
いけね4.5%
ふか2.1%
いけま1.3%
いけず0.5%
いや0.5%
いかぬ0.3%
いかねえ0.3%
いき0.3%
いけぬ0.3%
いけねえ0.3%
まず0.3%
わる0.3%
わるい0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あんたが、いくら不可(いけ)ないって云っても、あたしのオウ・デ・コロンをフケ取りの香水の代りに使うから、懲しめのためにやったの。
四月馬鹿 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
不気味に凄(すご)い、魔の小路だというのに、婦(おんな)が一人で、湯帰りの捷径(ちかみち)を怪(あやし)んでは不可(いけな)い。……実はこの小母さんだから通ったのである。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
或る夕方、夜警に出ていると、警官が四、五人足早に通り過ぎながら、今二人伴(つ)れて来るから殴(ぶ)っちゃア不可(いか)んぞと呼ばわった。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「それはそうと、お前の家でも高輪に居据りだね。今のままでは到底不可(いかん)ぞ。久米さんだってもそう長く頼んで置く訳には行くまい」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「いいえ、わけやないんだそうだけれど、転地しなけりゃ不可(いけない)ッていうんです。何、症が知れてるの。転地さえすりゃ何でもないって。」
誓之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小間使が言った千破矢の若君という御容子(ごようす)はどこへやら、これならば、不可(いけね)えの、居やがるのと、いけぞんざいなことも言いそうな滝太郎。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼がたとえ若死(わかじに)をすればとてこの遠大なる理想を有するにおいては、これをもってただちに長命(ちょうめい)と呼ぶ、なんの不可(ふか)か是(こ)れあらんやである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
こっちの者になるかも知れません。静(しずか)にしておかなければ不可(いけま)せんから、貴下方(あなたがた)は他室(あっち)へお引取下さい。警部は巡査を引連れて、静にこの室(ま)を立去りぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
姉娘を演(す)る優(ひと)のないには困りました。源之助で不可(いけず)、門之助で不可、何分にも適当の優(ひと)が見当らないので、結局寿美蔵(すみぞう)に廻りましたが、本来は宗之助か秀調(しゅうちょう)という所でしょう。
所歓(いろ)は堰(せ)いて了ふし、旦那取(だんなとり)は為ろと云ふ。そんな不可(いや)な真似(まね)を為なくても、立派に行くやうに私が稼いであるんぢやありませんか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
余(あま)り烈(はげ)しい往来中(わうらいなか)ではいかず、と云(い)つて衆人(ひと)の目(め)に立たぬければ不可(いかぬ)から、入口(はいりぐち)を横町(よこちやう)へ附(つ)け、表(おもて)の方(はう)は三四間(けん)の所を細(こま)かい格子作(かうしづくり)に拵(こしら)へ、往来(おもて)の方(はう)へ看板(かんばん)を懸(か)けました。
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「どうも不可(いかねえ)もので、親の悪いところばかり子に伝はる。丑松も用心深いのは好(いゝ)が、然し又、あんまり用心深過ぎて反つて疑はれるやうな事が出来やすまいか。」
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ですから間違って『昨日の思想』や『一昨日の思想』を伝えた所でその人達は取捨選択します。ですから比較的安全です。辻の方は然うは不可(いき)ません。教養の無い連中の方が、一層多く通ります。
大衆文芸問答 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
先刻教へたアノ洋燈(ランプ)をつけて、四畳に行つてお寝(やす)み、蒲団は其処の押入に入つてある筈だし、それから、まだ慣れぬうちは夜中に目をさまして便所(はばかり)にでもゆく時、戸惑ひしては不可(いけぬ)から
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「貴様入れろ、声掛けなくちゃ御年貢のようで無くて不可(いけねえ)」と辰さんは弟に言った。「さあ、どっしり入れろ」
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「——賛成だ、至極いいよ。私たち風来とは違って、矢野には学士の肩書がある。——御縁談は、と来ると、悪く老成(おやじ)じみるが仕方がない……として、わけなく絡(まとま)るだろうと思うがね、実はこのお取次は、私じゃ不可(まず)いよ。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
底あり蓋(ふた)ありで親も咎(とが)めず、夫(をつと)も咎めぬものをアカの他人(たにん)が咎(とが)めても、ハイ、止(よ)しませうと出る筈(はず)のない事だが僕(ぼく)とても内職(ないしよく)其(その)ものを直々(ぢき/″\)に不可(わる)いといふのではない
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
下女部屋の紙障(しょうじ)がさらりと開く、その音を聞くと文三は我にも無く突(つ)と奥座敷へ入ッてしまった——我にも無く、殆ど見られては不可(わるい)とも思わずして。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)