“突”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
51.7%
つき9.0%
つっ7.3%
とつ6.8%
つつ6.4%
つッ4.9%
つゝ3.4%
1.9%
つい1.7%
つか0.9%
つツ0.9%
つん0.9%
つッつ0.9%
づき0.6%
とが0.6%
とっ0.4%
つっつ0.2%
すき0.2%
つく0.2%
つゝつ0.2%
0.2%
はた0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
笹村には思っていることをあまり顔に出さないような深山の胸に横たわっている力強いあるものにかったような気がしていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
風呂ふろびてれゆけばつきかけ下駄げたに七五三の着物きもの何屋なにやみせ新妓しんこたか、金杉かなすぎ糸屋いとやむすめう一ばいはながひくいと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と、突然後からコートの背中をつっつくものがあるので、吃驚びっくりして振り返って見ると、見知らない一人の青年が笑いながら立っていた。
鉄の処女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
というよりも宵から彼の心にあった映像がとつとして眼の前でものをいっている驚きに揺り醒まされたといった方がいいかもしれぬ。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
筆がしらでも中軸なかじくでも一味についた連名の、昼鳶がお尻をつつく、駿河台の水車、水からくりの姉さんが、ここにも一人と、飛込もうか。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
助「フム、その講釈の通りなら百両は廉いものだが、火事の時竹長持たけながもちの棒でもつッかけられたら此の辺の合せ目がミシリといきそうだ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
をどりながら周圍しうゐつて村落むら女等をんならつゝうて勘次かんじ容子ようすてはくすくすとひそか冷笑れいせうあびけるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「おれは急に西へ立つから、お前はお前で、別に身の落ちつきを考えなおすがいい」と、いわんばかりな、拍子ぴょうしもない言葉。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よきはどうしたんだ」おつぎはきしあがつてどろだらけのあしくさうへひざついた。與吉よきち笑交わらひまじりにいて兩手りやうてしてかれようとする。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
が、その反動で五間ばかり走つたかと思ふと、今度は右手の山の岩壁に、凄じくぶつつかつたのである。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
にんは三じやくおびつツかけ草履ぞうり仕事師しごとし息子むすこ、一にんはかわいろ金巾かなきん羽織はをりむらさき兵子帶へこおびといふ坊樣仕立ぼうさましたておもことはうらはらに、はなしはつねちがひがちなれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
すぐ前に居た一人がつんのめされたように、たたっと、よろめいて、双手で頭を抱えると、倒れてしまった。
近藤勇と科学 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
國「だがねえ旦那え、それはいが、おめえさんやぶつッついて蛇を出してはいけませんぜ、是りゃアとんでもない喧嘩になりますぜ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
飛びつつ、いつか地にやゝ近く、ものの一二けんかすめると見た時、此の沈勇ちんゆうなる少年は、脇指を引抜ひきぬきざまにうしろづきにザクリと突く。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
フイゴの筒のやうに憂欝さうに口をとがらせ、くるりと尻尾を卷いて偉さうに、海藻の間を浮いたり沈んだりしてゐる、何だかそれにしても餘り姿が小さくてお氣の毒な樣な
城ヶ島の春 (旧字旧仮名) / 牧野信一(著)
気頃きごろを測っていた泰軒が、とっ! 手にした一升徳利を振りとばすと右側の轟玄八、とっさに峰をかわしてハッシと割る!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
乃公はあんまり腹が立ったから、そっと起き出して、其奴の足を留針ピンつっついてやった。突いた時丈けは音なしくするが、少し経つと又直ぐに始める。それで乃公は五六度たり起きたりした。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
すきぱらに聞くと、眼のまわりそうな声だ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
はづして小脇こわき抱込かひこみお島にむかひサア汝言はぬかどうぢや言ぬと此槍が其の美しきからだに御見舞申すぞ是でも言はぬか/\と既につくべき勢ひゆゑ安間平左衞門は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それをとう/\つゝついてさしてると、さをのさきで、くる/\とつて、まだはげしくこゑしていてるのに、智恵ちゑのあるおぢさんのとりさしは、だまつて、鰌掴どぜうつかみにして、こしふくろなかねぢむで
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しばらくして、どつとおろいて、少年にとびかゝつて、顔の皮をむしりくらはんとするところを、一生懸命脇差わきざしでめくらきにして助かつた。人に介抱かいほうされて、のちに、所を聞くと、此の方は近かつた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
隅棚すみだなの枕時計ははた秒刻チクタクを忘れぬ。ますます静に、益す明かなるねやの内には、むなしともむなしき時の移るともなく移るのみなりしが、たちまち差入る鳥影の軒端のきばに近く、したる宮が肩頭かたさき打連うちつらなりてひらめきつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それにも、渠の私行上の、然し渠自身からおほびらにしてゐることのきが載つてゐる。そして
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
「彼奴は……」と先づつ附いてみた。だがその次が出て来ないので、今しがた飛び込んで来て彼の頭の上を飛び廻り飛び交つてゐる二匹の蠅が気になり始めた。
医者と赤ン坊 (新字旧仮名) / 中原中也(著)