“空”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そら26.0%
から17.0%
むな14.7%
くう14.4%
10.0%
7.8%
うつ2.1%
1.2%
むなし1.1%
あだ1.0%
うつろ0.9%
あき0.8%
すき0.4%
むだ0.4%
クウ0.2%
0.2%
カラ0.2%
0.2%
すか0.1%
ぞら0.1%
0.1%
ソラ0.1%
がら0.1%
すい0.1%
むなしゅ0.1%
うそ0.1%
ムナ0.1%
あい0.0%
あけ0.0%
いたずら0.0%
うは0.0%
そウら0.0%
そォら0.0%
へつ0.0%
まど0.0%
むなしゅう0.0%
むね0.0%
むろ0.0%
アキ0.0%
ムナシュ0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あおい、うつくしいそらしたに、くろけむりがる、煙突えんとつ幾本いくほんった工場こうじょうがありました。その工場こうじょうなかでは、あめチョコを製造せいぞうしていました。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
からになつた渡船とせんへ、天滿與力てんまよりきかたをいからしてつた。六甲山ろくかふざんしづまうとする西日にしびが、きら/\とれの兩刀りやうたう目貫めぬきひからしてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
くだん古井戸ふるゐどは、先住せんぢういへつまものにくるふことありて其處そこむなしくなりぬとぞ。ちたるふた犇々ひし/\としておほいなるいしのおもしをいたり。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
広い室内のすみの方へ、背後うしろに三角のくうを残して、ドカリと、傍床わきどこの前に安坐あんざを組んだのは、ことの、京極きょうごく流を創造した鈴木鼓村こそんだった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
編輯者は、私のこんな下手な作品に対しても、わざわざペエジをけて置いて、今か今かと、その到来を待ってくれているのである。
乞食学生 (新字新仮名) / 太宰治(著)
阿Qは近来生活の費用にくるしみ内々かなりの不平があった。おまけに昼間飲んだばらの二杯の酒が、廻れば廻るほど愉快になった。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
無理むりに申させても取上には相成あひならぬぞ其源次郎と申はナ細川の家來けらいにて井戸源次郎と云者新吉原の三浦屋四郎左衞門かゝへの遊女いうぢようつせみを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
腹がっていると頭に利くから、稽古は食後に限ると教えてくれるものもあった。唯さえ陥り易い習癖を努めて実践躬行したのである。
善根鈍根 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
腰弱き彼等のくみするに足らざるを憤れる蒲田は、宝の山にりながら手をむなしうする無念さに、貫一が手も折れよとばかり捩上ねぢあぐれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さては相見ての後のたゞちの短きに、戀ひ悲みし永の月日を恨みて三ぱつあだなるなさけを觀ぜし人、おもへばいづれか戀のやつこに非ざるべき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
化粧をしないおせいの顔が艶々つやつやと光つてみえる。富岡は、魂のないうつろ眼差まなざしで、おせいのどつしりとした胸のあたりを見てゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
私は阪本さんのために珍しく笑はせられながら、床の間の玩具棚おもちやだなの光で見ようとしてくのです。下の棚はがらあきになつて居るのです。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
足のぐらぐらする餉台の上には馬鈴薯じゃがいもと大根とのごった煮と冷たい飯とだけだった。それでもすきっ腹には旨かった。
神棚 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
智惠子は考へ深い眼を足の爪先に落して、歸路を急いだが、其心にあるのは、例の樣に、今日一日をむだに過したといふ悔ではない。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
カヒナが動き出した。片手は、まつくらなクウをさした。さうして、今一方は、そのまゝ、岩ドコの上を掻き搜つて居る。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
丘陵のような山脈の遠くから激しく移動する灰色の雲と一緒に、湿気をもったらッ風が轟々ごうごううなりをあげて襲ってくるのだった。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
高圓山の墓原も、佐紀の沼地・雜木原も、又は、南は山村ヤマムラ、北は奈良山、泉川の見える處まで馳せ𢌞つて、戻る者も、戻る者も皆カラ足を踏んで來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
その精誠に至りては、天もまた泣くべし。「かくとしも知らでや去年こぞのこの頃は君をら行く田鶴たずにたとえし」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しかしあまり長くそこに立っていたためにすっかりお腹をすかしてしまいました。しかし、たれもが塔の上へ食物たべものを持って行くことなど考えもしませんでした。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
これから、この文句もんくは、なが北国ほっこくのこって、子供こどもたちが、いまでも夕焼ゆうやぞらると、そのうたをうたうのであります。
北の不思議な話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
京中で、此恵美屋敷ほど、庭をタシナんだ家はないと言ふ。門は、左京二条三坊に、北に向いて開いて居るが、主人家族の住ひは、南を広くけて、深々とした山斎ヤマが作つてある。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ところがまるで、追つかけるやうに、藤原の宮は固より、目ぬきの家竝みが、不意の出火で、其こそ、あつと言ふ間に、痕形もなく、ソラモノとなつてしまつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
そのがらんとした図書室を横切って、突当りの明りが差している扉を開くと、そこは、好事家こうずか垂涎すいぜんの思いをさせている、降矢木の書庫になっていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
とく國府津こふづどまりはこが三四りやう連結れんけつしてあるので紅帽あかばう注意ちゆういさいはひにそれにむとはたして同乘者どうじようしや老人夫婦らうじんふうふきりですこぶすいた、くたびれたのと
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
その上に天下の人気を背負って立って、一世をむなしゅうする大文豪であるかのように歌いはやされていたから、当時の文学少女の愛慕の中心となっていた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
また一説にはこれら皆うそで実は尊者の名パトリックをノールス人がパド・レクルと間違え蟾蜍ひきを(パダ)い去る(レカ)と解した。
ヨウヲ隔ツ黄鸝コウリ ムナシク好音コウイン
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三四郎は革鞄かばんかさを片手に持つた儘、あいた手で例のふる帽子を取つて、たゞ一言ひとこと
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
又店のいそがしい最中に店をあけた事も有ます相で(荻)夫ではうしてもお紺を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
今時いまどきの民家は此様の法をしらずして行規ぎょうぎみだりにして名をけがし、親兄弟にはじをあたへ一生身をいたずらにする者有り。口惜くちおしき事にあらずや。女は父母のおおせ媒妁なかだちとに非ざれば交らずと、小学にもみえたり。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
槍はかつげど、うはのそら、渋面しふめんつくれど供奴ともやつこ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そウらあアか夕焼ゆふやけ
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そォらの上からみんなの小鳥が
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
モウ二三にんるまで待つてはられぬ、はらへつたまらぬのぢや——これめしと間違まちがへたとふ話です、其頃そのころ商売しやうばいではなかつたから、其位そのくらゐのものでござりましたらう。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
まちつかれた身體からだをそつと椅子いすにもたれて、しづかなしたみちをのぞこふとまどをのぞくと、窓際まどぎは川柳かはやなぎ青白あをしろほそよるまどうつくしくのびてた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
唯我独尊を称したる釈迦如来しゃかにょらいは、絶対に自らを尊べり、絶対他力を唱えたる親鸞しんらんは絶対に他をたっとんで自個をむなしゅうせり、孔子こうし耶蘇ヤソとは他を尊んでまた自個を尊べり
絶対的人格:正岡先生論 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
季節きせつむねしくつひやすことが一にちでも非常ひじやう損失そんしつであるといふ見易みやす利害りがい打算ださんからかれ到頭たうとうまかされてまた所懸命しよけんめい勞働らうどう從事じうじした。かれはもう卯平うへい一言ひとことくちかなくなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うつむろの墓のしづけさ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
十三年に一度、其年の八月の一日から三日間、殿庭トンニヤアとも、あさぎナアともいふ、神あしやげ前のアキ地に、ケタ七つに板七枚渡した低い橋を順々に渡つて、あしやげの中に入るのである。此を七つ橋といふ。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
院ノ庄の行宮あんぐうへ忍んで有名な——天勾践テンコウセンムナシュウスルナカレ——を桜の木に書いて去ったと伝えられる児島高徳たかのり(備後ノ三郎)は、どうもむずかしいまぼろしの人物なので
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)