“情”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なさけ45.8%
じょう16.4%
なさ10.6%
じやう6.5%
こころ6.0%
つれ4.9%
すげ3.7%
こゝろ2.1%
なつか0.6%
ぜう0.4%
じよう0.3%
いろ0.3%
おもい0.3%
おもひ0.3%
ナサケ0.3%
じゃう0.1%
がら0.1%
ここ0.1%
たけ0.1%
なか0.1%
なさけな0.1%
まこと0.1%
もの0.1%
わけ0.1%
ハート0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
図書 (急(せ)きつつ)お情(なさけ)余る、お言葉ながら、活きようとて、討手の奴儕(やつばら)、決して活かしておきません。早くお手に掛け下さいまし。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかしその間(ま)も出来る事なら、生みの親に会わせてやりたいと云うのが、豪傑(ごうけつ)じみていても情(じょう)に脆(もろ)い日錚和尚の腹だったのでしょう。
捨児 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「そうだよ。おまえは善良(ぜんりょう)な忠実(ちゅうじつ)な友だちだ。けれど情(なさ)けないことにはほかのものがいないでは、もうたいしたことはできないのだ」
石狩(いしかり)の野は雲低く迷ひて車窓より眺むれば野にも山にも恐ろしき自然の力あふれ、此処に愛なく情(じやう)なく、見るとして荒涼、寂寞
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
太夫様が仰っしゃるには、先刻からお席を外(はず)し、定めし情(こころ)ない女子(おなご)と皆様がお思いに違いない。けれどあのような困ったことはない。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その裏面には「情(つれ)ないは唯(ただ)うつり気な、どうでも男は悪性者(あくしょうもの)」という煩悩(ぼんのう)の体験と、「糸より細き縁ぢやもの、つい切れ易く綻(ほころ)びて」
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
寺では少しく迷惑らしいようであったが、相手が相手であるから情(すげ)なく断わるわけにも行かないので、結局承知して吉五郎を帰した。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
無論(むろん)です、けれど本船(ほんせん)の當番(たうばん)水夫(すゐふ)は眼(め)の無(な)い奴(やつ)に、情(こゝろ)の無(な)い奴(やつ)です、一人(ひとり)は茫然(ぼんやり)して居(ゐ)ます、一人(ひとり)は知(し)つて知(し)らぬ顏(かほ)をして居(ゐ)ます。
何と云つても友達程情(なつか)しいものはない、我儘な、殊に我儘な自分の喜びや悲しみをほんとうに聞いて呉れるのは友達より他にない、それも同じ道に長い日を送つた友達
〔編輯余話〕 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
尚(なほ)化物(ばけもの)に一の必要條件(ひつえうぜうけん)は、文化(ぶんくわ)の程度(ていど)と非常(ひぜう)に密接(みつせつ)の關係(くわんけい)を有(いう)する事(こと)である。化物(ばけもの)を想像(さうざう)する事(こと)は理(り)にあらずして情(ぜう)である。理(り)に走(はし)ると化物(ばけもの)は發達(はつたつ)しない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
少焉(しばし)泣きたりし女の声は漸(やうや)く鎮りて、又湿(しめ)り勝(がち)にも語り初(そ)めしが、一たび情(じよう)の為に激せし声音は、自(おのづ)から始よりは高く響けり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
二人の顔には愁(うれ)いの情(いろ)がハッキリと現われているのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「つい自分ばかり喋(しゃべ)っていましたが、いまこそです。さあ久濶(きゅうかつ)の情(おもい)をお遂げなされませ」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
情(おもひ)は長く髪は短し、わが想ひに比ぶれば、この黒髪のなんぞ短き、である。
従軍五十日 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
其の鮎の獲れる場処と言ふのは、国頭(クニガミ)海道の難処、源河の里の水辺である。里の処女の姿や、情(ナサケ)を謡ふ事が命の琉球の民謡には、村の若者のとりとめぬやるせなさの沁み出たものが多い。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
乳母(うば)めに、情(じゃう)が燃(も)えてゐたら、若(わか)い温(あたゝ)かい血(ち)があったら、テニスの球(たま)のやうに、予(わし)が吩咐(いひつ)くるや否(いな)や戀人(こひゞと)の許(とこ)へ飛(と)んで行(ゆ)き、また戀人(こひゞと)の返辭(へんじ)と共(とも)に予(わし)の手元(てもと)へ飛返(とびかへ)って來(き)つらうもの。
締殺(しめころ)したるも必竟(ひつきやう)はと言しが五十兩の金子の事ならん其五十兩の引負金(ひきおひきん)と云は如何の譯にて何に遣(つか)ひ捨(すて)しや有體(ありてい)に申立よとの事に至り久八は元より千太郎の引負金を我身に引請(ひきうけ)たる事情(がら)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ひたすら造物者への感謝の情(ここ)ろ、崇敬の念(おも)いに、身をふるわすばかりだ。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
好(この)みて相應に打ける故(ゆゑ)折々(をり/\)は重四郎を碁(ご)の相手となせしを以て重四郎は猶も繁々(しげ/\)出入なし居しが偶然(ふと)娘お浪の容貌(みめかたち)の美(うつく)しきを見初(みそめ)しより戀慕(れんぼ)の情(じやう)止難(やみがた)く獨り胸(むね)を焦(こが)せしが寧(いつ)そ我が思ひの情(たけ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
是よりいたして雨の降る夜(よ)も風の夜も、首尾を合図にお若(わか)の計らい、通える数も積りつゝ、今は互(たがい)に棄てかねて、其の情(なか)漆(うるし)膠(にかわ)の如くなり。
いつでも情(なさけな)いと思(おも)ひ/\して居(ゐ)たのを考(かんが)へ出(だ)して、少(すこ)し欝(ふさ)いで来(き)て俯向(うつむ)いた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
五三重陽(ここぬか)の佳節(かせつ)をもて帰り来る日とすべし。左門いふ。兄長(このかみ)必ず此の日をあやまり給ふな。一枝の菊花に五四薄酒(うすきさけ)を備へて待ちたてまつらんと、互(たがひ)に情(まこと)をつくして赤穴は西に帰りけり。
母子だけしか知らない温かい情(もの)が籠(こも)っているかもしれないと、思うことだった。
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
江戸一番の情(わけ)知りで、遊びも派手なら商売も派手、芸人や腕のある職人を可愛がって、四方八方から受けのいい万兵衛が、場所もあろうに、自分の家の風呂場で、顔を洗ったばかりのところを
詩人若し談理の弊に陥れば、其詩は即ち索然として活気を失はざるを得ず、何となれば是れ既に情(ハート)の声に非ずして知(マインド)の声なれば也。
詩人論 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)