“否”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いな51.2%
いや25.1%
いいえ3.2%
い3.2%
いゝえ2.4%
ノー2.2%
いえ1.9%
いい1.2%
いなや0.9%
ノウ0.7%
ノン0.7%
あらず0.5%
いいや0.5%
ひ0.5%
いゝ0.4%
どう0.4%
ノオ0.4%
いゝや0.4%
しか0.4%
しから0.4%
あら0.3%
うんにや0.3%
しからざ0.3%
いへ0.1%
えや0.1%
いゑ0.1%
う0.1%
あ0.1%
あし0.1%
あらぬ0.1%
いけ0.1%
いゝへ0.1%
うむ0.1%
こば0.1%
さら0.1%
ない0.1%
ぴ0.1%
や0.1%
よからぬ0.1%
ナイン0.1%
ニヤット0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
悪妻に一般的な型などあるべきものではなく、否(いな)、男女関係のすべてに於(おい)て型はない。個性と個性の相対的な加減乗除があるだけだ。
悪妻論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
当人へ弟子入りを承諾したように受け取られ上郎氏の細君が当人を伴(つ)れて見えたので、今さら否(いや)ともいえず、弟子にしたわけでした。
「否(いいえ)、」とお母(かあ)さんが言(い)った。「わたしは胸(むね)が苦(くる)しくって、歯(は)がガチガチする。それで脈(みゃく)の中(なか)では、火(ひ)が燃(も)えているようですわ。」
否(い)な独り同人ばかりでなく、先生の紹介によって、先生の宅に出入する幕賓連中迄兀々(こつこつ)として筆をこの種の田舎新聞に執ったものだ。
『ハ、否(いゝえ)。』と喉(のど)が塞(つま)つた樣に言つて、山内は其狡(ずる)さうな眼を一層狡さうに光らして、短かい髭を捻つてゐる信吾の顏をちらと見た。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
あのロザマンドが受難者でせうか、勤勞者だらうか、女の使徒だらうか? ロザマンドが宣教師の妻になり得るだらうか? 否(ノー)!
『否(いえ)、然(さ)うぢやないのです。』ミハイル、アウエリヤヌヰチは更(さら)に云直(いひなほ)す。『其(そ)の、君(きみ)の財産(ざいさん)は總計(そうけい)で何位(どのくらゐ)と云(い)ふのを伺(うかゞ)うのさ。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
否(いい)え、商売人なんです。最初の目的は別の方面にあったのですが、若い時はちょっとした心の弛みから、飛んでもない過失(あやまち)を
妖影 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
左らば討て迚(とて)待ける故無二是非一ぜひなく首をとる。兼て申付たるか、下人は槍を合するや否(いなや)、方々へ逃げ失せぬ
大阪夏之陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
人々は、午前七時から午後七時までの間に出かけて行って、投票します。投票紙には、然(シイ)・否(ノウ)という二つの実に明白な文字が、印刷してあります。
踊る地平線:10 長靴の春 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
否(ノン)ムッシュといつて、女は肘を張り、男は脚をひろげたりして、占有してる座席を讓るまいとする心事がはつきり讀み取れた。
大戦脱出記 (旧字旧仮名) / 野上豊一郎(著)
それより談は其事の上にわたりて、太祖、その曲直は孰(いずれ)に在りやと問う。太子、曲は七国に在りと承りぬと対(こた)う。時に太祖肯(がえん)ぜずして、否(あらず)、其(そ)は講官の偏説なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
否(いいや)、小石姫が殺されまして以来毎晩この石が泣くようになったと申します。姫の怨念(おんねん)が石に罩(こも)ったのでございます。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
雪まぶれの外套を脱いだ寒そうで傷々(いたいた)しい、背(うしろ)から苦もなくすらりと被(かぶ)せたので、洋服の上にこの広袖(どてら)で、長火鉢の前に胡坐(あぐら)したが、大黒屋惣六(そうろく)に肖(に)て否(ひ)なるもの
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『否(いゝ)え、云(い)やしなくッてよ』と愛(あい)ちやんが云(い)ひました、『些(ちつ)とも可哀相(かあいさう)だとは思(おも)はないわ。私(わたし)は「何(ど)うして?」と云(い)つたのよ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それであのおハガキを頂いてから、従兄は「其看板が直ったか否(どう)か、きっと見に通るに違いない。通れば並みの人と視線のやり場が異(ちが)う」
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
だが、それらしいものは何んにも見えなかつた。また、もしかして、誰かゞミス・エアを尋ねてはゐなかつたかと給仕に訊(き)いたけれど、答は否(ノオ)といふのだつた。
もし(否(いゝや)、惡(わる)い事(こと)をした覺(おぼえ)もないから、那樣(そんな)氣遣(きづかひ)は些(ちつ)とも無(な)い。)と恁(か)うありや、何(なん)の雨風(あめかぜ)ござらばござれぢや。喃(なあ)、那樣(そんな)ものではあるまいか。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
されども能(よ)くその萌芽を出して立派に生長すると否(しか)らざるとは、単に手入れの行届くと行届かざるとに依(よ)るなり。即ち培養(ていれ)の厚薄良否に依るというも可なり。
家庭習慣の教えを論ず (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
我ニ自由ヲ与フル歟(か)、否(しから)ザレバ死ヲ与ヘヨト唱ヘシモ、英国ノ暴政ニ苦シムノ余、民ヲ塗炭(とたん)ニ救ヒ、一国ヲ不覊独立ノ自由ニセント死ヲ以テ誓ヒシコトナリ。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
唯だ姫が側なる人をベルナルドオならんと疑ひしとき、我心の噪(さわ)がしかりしは、妬(ねたみ)なるか否(あら)ざるか、そはわが考へ定めざるところなりき。
『ナントお前樣、此地方(ここら)ではハア、今の村長樣の嬶樣でせえ、箪笥が唯三竿——、否(うんにや)全體(みんな)で三竿でその中の一竿はハア、古い長持だつけがなッす。』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
学問はこれを身に体し、これを事に措(お)いて、始(はじめ)て用をなすものである。否(しからざ)るものは死学問である。これは世間普通の見解である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
上夫は私しの親共より讓(ゆづり)金なりと云に越前守殿然すれば汝等は兄弟か兩人否(いへ)と云ば越前守殿ソレ縛(しば)れとの聲に連(つれ)兩人を高手(たかて)小手に縛(いまし)め左右へ引据(すゑ)たり此時九助は其者の顏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
林「出て往(ゆ)くも往(え)かねえも要(い)らねえ、否(えや)なら否(えや)で訳は分ってる、突然(えきなり)頭部(あたま)にやして、本当に呆れてしまう、何だって打(ぶ)ったよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何とせしぞ佐助が病氣でも起りしか、樣子によりて藥の種類もあれば、せかずに話して聞かせよと言へば、敷居際に兩手をつきたる老婆は慇懃(いんぎん)に、否(いゑ)老爺(ぢゞ)では御座りませぬ
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「否(う)む! ナニ。何でもないよ。」と言っていると、階下(した)から
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
この寄宿舎は食事だけは藩命の者と否(あ)らざる者とを問わず、藩より支給せられて、多くは賄方が請負で仕出をしていたが、あるいは小使をして拵えさせた時もあった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
驚きに驚かされし静緒は何事とも弁(わきま)へねど、推(すい)すべきほどには推して、事の秘密なるを思へば、賓(まらうど)の顔色のさしも常ならず変りて可悩(なやま)しげなるを、問出でんも可(よし)や否(あし)やを料(はか)りかねて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
呉亮(ごりょう)というものあり、建文帝に事(つか)えたり。乃(すなわ)ち亮をして応文の果して帝なるや否(あらぬ)やを探らしめたもう。亮の応文(おうぶん)を見るや、応文たゞちに、汝(なんじ)は呉亮にあらずや、と云いたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
如何にか成らなければ否(いけ)ない。
無題 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
隱(かく)し態々他の女を連(つれ)て殺(ころ)される程の間合もあるまじ夫を強(しひ)て申なら里は宅へ戻(もど)りしかと有にお深否(いゝへ)歸(かへ)りは致さぬと云にぞ大岡殿此頑愚(たはけ)め己が連出したる女房(にようばう)里を脇へ遣し又他の女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「否(うむ)、お前は蚊帳の中で見とるさかい、青う見えたのや、西瓜はちやんと此所にあるぞ。」と語尾に力を入れて言訳した。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
三斎もそれを否(こば)まん由はなく、今し甲士が分捕って齎(もた)らしたばかりの一巻をとって、政宗の手に置いた。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
兎をや獵(かり)せんとする、否(さら)ずば天馬空を行くとかいふ詩想の象徴をや示さんとする、と公子語を繼いで云へば、ジエンナロ、否、われ等の跬歩(きほ)に蹇(なや)める處を、渠(かれ)は能く飛行すと誇るなるべし
「そんな事があったか否(ない)か知らないけれど、私(あっし)の家内なら、阿母(おっか)さんは黙ってみていたらいいでしょう。一体誰がそんな事を言出したんです」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「安否を見とどけるって——変ですわね、見とどけて、ああこれは否(ぴ)じゃわ、とそのままかえったんでしょうか」
鏡餅 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
否(や)、実際山を歩行(ある)いたんだ。それ、日曜さ、昨日は——源助、お前は自(おのず)から得ている。私は本と首引(くびッぴ)きだが、本草(ほんぞう)が好物でな、知ってる通り。で、昨日ちと山を奥まで入った。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
子、南子(なんし)を見る。子路説(よろこ)ばず。夫子(ふうし)之(これ)に矢(ちか)いて曰く、予(われ)否(よからぬ)ところあらば、天之を厭(す)てん、天之を厭(す)てんと。(雍也、二八)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
(唯(ヤー)とや云はん否(ナイン)とやいはん)
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
車掌は白髪の老人だったが、何をいっても皆まで聞かずに否(ニヤット)の一言で片づけるのには大いに困った。
踊る地平線:01 踊る地平線 (新字新仮名) / 谷譲次(著)