“狡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ずる80.5%
9.5%
こす7.1%
こう0.6%
さか0.6%
0.6%
コス0.6%
ズル0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その弟が津島に対して金銭上で、ちよつとずるいことをやつた。預けたものを質へ入れて、放下ほつたらかしておいたのが、津島の気を悪くした。
風呂桶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
民主化なんて大騒ぎをしてゐますが、つまるところは日本人にもう一つ別のるさを身につけさせるだけのことにならないものでもありません。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)
しようものなら皆な食われて了う……そこは私もなかなかこすいや。だけれども世間の人はそう言わない。そこがねえつらいと言うもんです
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
『本草啓蒙』に「兎の性こうにして棲所の穴その道一ならず、猟人一道をふすぶれば他道にのがれ去る、故に『戦国策』に〈狡兎三窟ありわずかにその死を免れ得るのみ〉という」
さかしげなひからしてつた。しぎはとも、——此處こゝもののかずさへおもつたのは、車夫しやふとき言葉ことば記憶きおくである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
悪くれた眼附の車夫が先づ車を引いて来て、夫人が思つたとは反対の方角をゆびさして見せて、その病院も、夫人がこれから行つて先づ宿を取らうとする蔦屋つたやも、松林の彼方かなたにあたると言つて聞かせた。
灯火 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
之をも「コスい気のある今の世の若檀那なり。むつくりとした昔風の若檀那にあらず」
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
昔、昔、ギリシャ詩人タチ、ソレカラ、ボオドレエル、ヴェルレエヌ、アノズルイ爺サンゲエテ閣下モ、アア、忘レルモノカ芥川龍之介先生ハ、イノチマデ
走ラヌ名馬 (新字新仮名) / 太宰治(著)