“狡(す)” の例文
悪く狡(す)れた眼附の車夫が先づ車を引いて来て、夫人が思つたとは反対の方角を指(ゆびさ)して見せて、その病院も、夫人がこれから行つて先づ宿を取らうとする蔦屋(つたや)も、松林の彼方(かなた)にあたると言つて聞かせた。
灯火 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)