“遁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のが50.1%
に40.3%
の4.6%
にが2.0%
にげ1.9%
のがれ0.3%
にぐ0.2%
ぬ0.2%
のがる0.2%
まぬ0.2%
やが0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、結局十二人は異端焚殺に逢ってしまったのだが、ウイチグスのみは秘かに遁(のが)れ、この大技巧呪術書を完成したと伝えられている。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
が、道行(みちゆき)にしろ、喧嘩(けんくわ)にしろ、其(そ)の出(で)て来(き)た処(ところ)が、遁(に)げるにも忍(しの)んで出(で)るにも、背後(うしろ)に、村(むら)、里(さと)、松並木(まつなみき)、畷(なはて)も家(いへ)も有(あ)るのではない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
血によって印刷された綱の跡——このような一見つまらないものを見遁(の)がさなかったのは、さすがに名検事の誉(ほまれ)高き村松氏であった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ところが、今朝家人がえさを取り替える際に、ちょっとの不注意で、せっかくのこの楽しみを再び空に遁(にが)してしまった。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
と南(みなみ)の亭主(ていしゆ)は一旦(たん)橋渡(はしわた)しをすれば後(あと)は再(ふたゝ)びどうならうともそれは又(また)其(そ)の時(とき)だといふ心(こゝろ)から其處(そこ)は加(い)い加減(かげん)に繕(つくろ)うて遁(にげ)るやうに歸(かへ)つた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
余も不足ながらもイエスの名を世人の前に表白せしにあらずや、余も余の罪より遁(のがれ)んために「イエス」の十字架にすがるにあらずや
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
數「さ、書け、もう迚(とて)もいかんから書け、松蔭手前も諦めの悪い男だ、最早遁(にぐ)るも引くも出来やせん、書け」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
直に吉浜から江の浦小田原と手分(てわけ)えして尋ねたが知んねいでしまった、何でも山越しに箱根の方へ遁(ぬ)げたこんだろうと後(あと)で評議イしたことサ、孩児は背中の疵が大(でけ)えに血がえらく出たゞから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一、上野介殿十分に討取候とも、銘々(めいめい)一命遁(のがる)べき覚悟これなき上は、一同に申合せ、散々(ちりぢり)に罷成(まかりなり)申まじく候。手負(ておい)の者これ有においては、互に引懸(ひっかけ)助け合い、その場へ集申べきこと。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
もっと運が悪ければ、十手にかかって獄死か磔刑(はりつけ)か、どうせ、遁(まぬ)がれぬ八十三郎の運命なのだ
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
終(つひ)に其場へ切伏(ふせ)たり斯て兩人はホツと一息(いき)吐(つく)處へお里も遁(やが)て駈(かけ)來り其所に御在(いで)は父樣かといふ聲聞(きい)てオヽお里か能マア無事でと親子三人怪我(けが)のないのを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)