“に”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
21.0%
16.9%
13.7%
10.2%
9.9%
4.7%
4.1%
2.3%
2.2%
1.9%
1.6%
1.6%
1.4%
1.4%
1.1%
0.8%
0.5%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
走去0.1%
0.1%
でもって0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
狼群ろうぐん鉄砲てっぽうをおそれて日中はあまりでないし、また人間の姿すがたが見えると、さっさとげてしまうので、この日は別段べつだん危険きけんもなかった。
私はたとえば、彼女が三人のごろつきの手からげられるように、であるとか、又はすぐ警察へ、とでも云うだろうと期待していた。
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
上杉うへすぎ隣家となり何宗なにしうかの御梵刹おんてらさまにて寺内じない廣々ひろ/\もゝさくらいろ/\うゑわたしたれば、此方こなたの二かいよりおろすにくも棚曳たなび天上界てんじやうかい
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
るかと云うに、いやなまこそことにうましなぞと口より出まかせに饒舌しゃべりちらせば、亭主、さらば一升まいらせむ、食いたまえと云う。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
姫様によくた娘をどこからか借りて来て、姫様に仕立ててお目にかけたらば、奥方のお気も少しは鎮まろうかということになった。
半七捕物帳:07 奥女中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しなはやしいくつもぎて自分じぶんむらいそいだが、つかれもしたけれどものういやうな心持こゝろもちがして幾度いくたび路傍みちばたおろしてはやすみつゝたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すなはつき太陽たいよう引力いんりよくによつてわが地球ちきゆうけるひづみの分量ぶんりようは、地球全體ちきゆうぜんたい鋼鐵こうてつ出來できてゐると假定かていした場合ばあひ三分さんぶんしかないのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
その白牡丹のような白紗の鰭には更にすみれふじ、薄青等の色斑があり、更に墨色古金色等の斑点も交って万華鏡まんげきょうのような絢爛
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
たたせてそれへこのセンを入れてザット湯煮て水でよく洗います。塩で締りますから切れません。今度は水を入れて塩とお砂糖で味を
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そして彼の胸中には、事件を解決するたびに経験するあのっぱい悒鬱ゆううつが、また例の調子でのぼってくるのであった。
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
肉体の苦しみを度外に置いて、物質上の不便を物とも思わず、勇猛精進しょうじんの心をって、人道のために、鼎鑊ていかくらるるを面白く思う。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
米をるのだ、と笑って、それからそれへ花は咲いたのだったが、しかし、気の毒だ、可哀相に、と憐愍あわれみはしたけれども、徹頭徹尾
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
隅の方で時折大きく団扇うちわつかう音がする。専務車掌がよろめきながら、荷物を並べた狭い通路を歩きくそうに通って行った。
急行十三時間 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
一寸ちょっと入りくそうなホテルがずずと並んでいて、中から出て来た自動車に、雪のとばっちりをしたたか浴せられたのもいまいましい。
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
ほそあしのおかげではしるわ、はしるわ、よつぽどとほくまでげのびたが、やぶのかげでそのうつくしいつのめがさヽ引掛ひつかかつてとう/\猟人かりうどにつかまつたとさ。
「越前っ。やあいっ、せもの、くそ奉行っ。なぜおれに、姿を見せねえのだ。なぜ、大岡亀次郎を、吟味しねえかっ。うぬっ、ここへ来い」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
喰はんでも、あんの相手をせいでどうならうに、少しや其の年になつたらわきまへさうなものぢやになあ……。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
せ藍丸王は狩場から宮中へ帰って、晩の御飯を済ますと直ぐに、家来に云い付けて、自分のへやに新しい椅子を四ツ運ばせて、象牙の机の周囲まわりに並べさせた。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
上等バタ茶の製法 まず其茶それを半日もてそのかすをよく取って、そうして真っ黒な少し赤味がかった汁になって居る中にヤクのごく新鮮なバタを入れ
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ややあって軍吏ぐんりの一人が口を切り、先年浞野侯さくやこう趙破奴ちょうはど胡軍こぐんのために生擒いけどられ、数年後に漢にげ帰ったときも、武帝はこれを罰しなかったことを語った。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
薄い母の掌に、緑のを吹いた大きい銭銅貨が二三枚こぼれた。
風琴と魚の町 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
水や曇れ、空もびよ、たゞ悲のわれに在らば
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
落城の惨苦を辛うじて逃れた当主義安の未亡人俊継は、亡き義安のわすれ形見、義定をつれて駿河するがを転々としていたが、永禄十二年、吉良荘に帰ることをゆるされ
本所松坂町 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
敬吉は、女をヂツと抱いて居ると、女の心持が、沁々と彼の心の裡にじみ込んで来た。
海の中にて (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
水辺に夕暮の淡い色をじみ出した紫陽花あじさいの一と群れに交わって、丸裸のまま、ギイギイ声を立て、田から田へせわしく水を配ばり、米をぎ、材木をいたりして、精を出して働いている。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
し貴君の方から云いくければこちらから言葉を尽して掛合ってもよろしい、というようなわけで、到頭我輩も松岡君の意気に動かされて
生前身後の事 (新字新仮名) / 中里介山(著)
三藏は持ちくさうに包丁を持つてむく。長い皮が疊につくまで細君はぽかんと眺めてゐたが急に思ひ出して盆を持つて來る。十風は旨さうに食ふ。顳顬こめかみの筋の動くのがいたましく目立つて見える。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
このむら半農半漁はんのうはんりよう小部落しようぶらくであるが、地震ぢしん當日とうじつ丁度ちようど蠶兒掃立さんじはきたてあたり、暖室用だんしつよう炭火すみびもちひてゐたいへおほく、そのうち三十六戸さんじゆうろつこからはけむりし、つひ三戸さんこだけはあがるにいたつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
火が強いとごっていけません。五合の水が二合位に煮詰った時裏漉うらごしにしてまた布で漉します。それは器の上へ白布をかけてその上へ裏漉を置いて鍋のスープをげば一度に二度漉せます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
こりゃ心の迷いだ。がしてはならぬ脱がしてはならぬと思ってるからだ。こればかりの事に神経を悩すとは、ええ、意気地の無い事だ。いかさまな、五十の坂へ踏懸けちゃあ、ちとよりが戻ろうかい。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小女こむすめの白い隻頬がまた見えて、それがっと笑っているように思われた。山西はもう小女こむすめをぐっとつかんだように思った。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
櫟井いちゐ一一 丸邇坂わにさ
三栗みつぐり一三 その中つ
そぎやんやあとつたてちや、どぎやんもなりやせんとだるけん、これからのこつば考へて、気ばふたうもつこツたい、ムツシユウのことなんぞ、早う忘れてしまうた方が悧巧もんばい。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
やす そんなら、国に戻ろごたなしでん、やあとつとけえ。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
後に、虎、その柱をりて、針を取りて走去げぬ。高麗国こまのくに、得志が帰らんとおもこころを知りて、あしきものを与えて殺す
得志、つねにその針を以て柱のうちに隠し置けり。後に、虎、その柱をりて、針を取りて走去げぬ。
マア日清戰争で以て日本人の肩身が廣くなつたと云つて大いに得意になつて居たの、又今度は倒さまに排外主義の流行の爲めに、折角日清戰争で擴げた肩身が狹くなりは爲ないかと
その翌日二里半ばかりの道を馬でもって荷物だけ積んで人一人付いて送ってくれまして、これから先はむつかしくはない
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ついて只、宗虎が親類江御咄し被成候得バ、喜び可申存候。
てんも暗号書の名で、天は普通暗号、仁は人事に関する暗号である。しかし五郎の口にのぼって来るのは〈暗号符字のまごつきに〉という部分だけであって、あとは元歌通りだ。
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
さもたり。ちかづくまゝに。にほは。そもかう款貨舖ぐやの。むすめかも。ゆびはさめる。香盆かうばこの。何爲なにことなりや。時々とき/\に。はなかさして。くめるは。
「西周哲学著作集」序 (旧字旧仮名) / 井上哲次郎(著)
ごとくきゃ、此畜生こんちくしょう! あらいやばん、此方こなたのそくしゃあか、冗談ぞうだんしんさんな」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
波濤はたうりて數百すうひやくの。 艨艟まうしやうはたきてぐ。
其の人を見てあわただしからんは、六三思はんことの恥かしとて、美酒よきさけ鮮魚あざらけきくりやに備ふ。
林「部屋へってもられませんよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
アレキサンドルにせました人が相州東浦賀新井町の石井山三郎という廻船問屋で、名主役を勤めました人で、此の人は旗下はたもと落胤らくいんということを浦賀で聞きましたが
客既ニ集リ炉底火ハ活シ鼎腹沸沸トシテ声アレバすなわち茗ヲテ主客倶ニすすルコト一碗両碗。腋間えきかん風生ズルニ至ツテ古人ノ書画ヲブ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
六群比丘びくとて仏弟子ながら、いつも戒律を破る六人の僧あり。質帝隷居士、百味の食を作り、清僧を請じ、余り物もてこの六比丘を請ぜしに、油と塩でた魚をくれぬが不足だ。
えたりめたり冷めたり熱えたり、どちらがうとも突詰めかねて、自分で自分を武者苦者と掻むしるように苦ませた揚句が、とにかくもう一度小歌に逢った上でと、弱い決心をわずかに固めて
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
この如来の自己展開、自発自展してゆくそのありさまであります。それがつまり自然法というようなものであって、つまり今の言葉でいえば歴史的発展であります。
生活と一枚の宗教 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
「だから応無所住おうむしょじゅう生其心しょうごしんと云うのは大事な言葉だ、そう云う境界きょうがいに至らんと人間は苦しくてならん」と独仙君しきりにひとり悟ったような事を云う。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
是故に営中の論の目的唯此一のみあり。万一先生一身失策の為に天下の大機会を失せバ、其罪天地ニ容るべからず。果して然らバ小弟亦薩長二藩の督責を免れず。豈徒ニ天地の間に立べけんや。
おしだまつて、ものにんじた時のながれが、目にみえぬはやさで、げてゆくだけである。
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
蘆の根の小蟹こがには驚いて、穴にげ入るのも面白かった。
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
今までちりぼっけだった職人の腹掛も雨に打たれておやかな紺の色になって赤っぽい紅葉や山茶花の間を通る時に腹掛ばかりが美くしい。
通り雨 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
こゝはや藪の中央ならむともとかた振返ふりかへれば、真昼は藪に寸断されて点々星にさもたり。なほ何程なにほどの奥やあると、及び腰に前途ゆくてながむ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)