“境界”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうがい58.5%
きやうがい14.9%
さかい9.6%
きょうかい6.4%
さかひ3.2%
けうがい2.1%
きゃうがい1.1%
きやうかい1.1%
きようがい1.1%
けいかい1.1%
さかひめ1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いかにも哀れな、気の毒な境界きょうがいである。しかし一転してわが身の上を顧みれば、彼と我れとの間に、はたしてどれほどの差があるか。
高瀬舟 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「僕はいつも考へてゐますが、現代では、大きな事業家と云はれる人々に最も多くさういふ境界きやうがいを經驗してゐるものがあります。」
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
それから駒形に接近した境界さかいにこれも有名だった伊阪いざかという金物屋かなものやがある(これは刃物が専門で、何時いつでも職人が多く買い物に来ていた)
その境界きょうかいになるのが、この回転扉だ。そこでこの回転扉をまわして中へはいると、その奥には、またもや下へ下りるトンネルがある。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
四方よもの空はや靜かになりぬ、彼我に曰ふ。これは硬きくつわにて己が境界さかひの内に人をとどめおくべきものなり 一四二—一四四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
此身このみ雲井くもゐとりがひ自由じゆうなる書生しよせい境界けうがいいましばしはあそばるゝこゝろなりしを、きの故郷ふるさとよりの便たよりにいはく、大旦那おほだんなさまこと其後そのご容躰ようだいさしたること御座ござなく候へども
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ロミオ ちがはぬが、狂人きちがひよりもつら境界きゃうがい……牢獄らうごく鎖込とぢこめられ、しょくたれ、むちうたれ、苛責かしゃくせられ……(下人の近づいたのを見て)や、機嫌きげんよう。
面部上下の境界きやうかいを基として正確にへば是等は頭巾の左右兩端に穿うがちたるものの如くなれど、大体だい/\の位置よりかんがふれば耳輪みみわを埀るる孔を示したるかともおもはる。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
こんな容躰ようだいで人さまの仕事をしている境界きようがいでは無からうか、まあ夢のやうな約束さとて笑つていれば、いいやなそれは、出来ない時に調らへてくれとは言は無い、お前さんに運の向いた時の事さ
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこには、まず、入ってすぐの、萩、尾花、葛、女郎花おみなえし、藤袴……そうした立札だけの荒れた土の中にむなしく残った一くるわ境界けいかい
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
昔の地獄ぢごくの火の車や無間地獄むげんぢごくなどで、此方こちら本当ほんたうの火の車がりまして、半分はんぶんいてつて、その境界さかひめがちつともわかりません、誠に感心だ、火の燃えるところ本当ほんたうのやうだ
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)