“さかひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
51.0%
19.2%
19.2%
境界2.9%
1.9%
境地1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
限界1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いま敵國てきこくふかをかして、邦内はうない騷動さうどうし、士卒しそつさかひ(一七)暴露ばくろす。きみねてせきやすんぜず、くらうてあぢはひあましとせず。百せいめいみなきみかる。
「へエ、諸國の集まり者でございますよ。私は武州川越で、權八は三河の國の才造くづれ、燕女つばめは泉州さかひだと聽いてをりますが」
四人は翌二十日に河内かはちさかひつて、食を求める外には人家に立ち寄らぬやうに心掛け、平野川に沿うて、間道かんだうを東へ急いだ。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
しな田圃たんぼからあがるまへ天秤てんびんおろしてひだりまがつた。自分じぶんいへはやしとのあひだにはひと足趾あしあとだけの小徑こみちがつけてある。おしなその小徑こみちはやしとの境界さかひしきつて牛胡頽子うしぐみそばたつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
遼邈之地とほくはるかなるくになほ未だ王沢うつくしびうるほはず、遂にむらに君有り、あれひとこのかみ有り、各自おの/\さかひを分ちて、もつて相凌躒しのぎきしろふ。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
調子揃つた足擦あしずれの音、華やかな、古風な、老も若きも恋の歌を歌つてゐる此境地さかひから、不図目を上げて其静かな月を仰いだ心境ここちは、何人も生涯に幾度いくたびとなく思浮べて
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
が、この歓楽の境地さかひに——否、静子と共に吉野を一人置いて行くことが、矢張快くなかつた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
蒼々あを/\した山松や、白百合の花の咲乱れた丘や、畑地ばかりであつた。そして思つたより早く、いつか町のさかひへ出て来てゐるのに気がついた。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
その無心のさかひに入れりとすべきは、生涯のうちに幾日もあらず。誰かく快楽と苦痛の覊束きそくを脱離し得たるものぞ。誰か能く浄不浄の苦闘を竟極きやうきよくし得たるものぞ。
心機妙変を論ず (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
土をひらさかひとほくす云々。
さかひつはものも汝が翼を遮ることあるまじきぞ。その一裹は尊き神符にて、また打出の小槌なり。おのが寶を掘り出さんまで、事くことはあらじ。黄金も出づべし、白銀しろかねも出づべしといふ。
人智じんちなるものが、動物どうぶつと、人間にんげんとのあひだに、おほいなる限界さかひをなしてつて、人間にんげん靈性れいせいしめし、程度ていどまで、實際じつさいところ不死ふしかはりをしてゐるのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)