“阿吽”の読み方と例文
読み方割合
あうん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
出づる息、入る息、この阿吽あうんの二字は、まことに重大な一つ一つ重大をきわめる芸術的時間なのであります。
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
「そもそも伊賀流の秘訣というは阿吽あうんの呼吸これ一つじゃ」老人は静かに説き出した。「うんと閉じれば姿が消え、と口を開けば姿が見える。吽の間の長い者こそ流儀の極意の体得たいとく者じゃ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この表現を高潮させるには、先ず自分の性格、意志、感情なぞと同時に阿吽あうんの呼吸までも相手にわからぬようにソーッと殺してしまうので、この辺は自分の「鼻息を窺っ」ているようにも見えます。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)