“燃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
64.0%
もや12.6%
もえ6.5%
6.1%
もゆ4.6%
とぼ1.1%
1.1%
もゆる0.8%
とも0.8%
0.8%
もう0.4%
0.4%
ねん0.4%
りも0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さかんにえていた、西にしうみほのおが、いつしかなみあらわれて、うすくなったとおもうと、まどからえるそらも、くらくなりかけていました。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さてまたわれらの情は、たゞ聖靈のこゝろかなふものにのみもやさるゝが故に、その立つる秩序によりてとゝのへらるゝことを悦ぶ 五二—五四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
と、遙か向う岸に連る二階家のある欄干に、一面の日光を受けて、もえるやうな赤いものが干してある。女の襦袢か。夜具の裏地か。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
だって、あのガランとしたところ火であっためるのだって、いつかみたいに大きな薪をぶちこんでくことは今出来ないのですもの。
此地火一に陰火いんくわといふ。かの如法寺村によほふじむらの陰火も微風すこしのかぜいづるに発燭つけぎの火をかざせば風気ふうきおうじてもゆる、陽火やうくわざればもえず。
土器かわらけの燈明は、小泉を継がせるはずのお鶴の為に、最後の一点の火のようにとぼった。お倉は、この名残なごりの住居で、郷里くにの方にある家の旧い話を始めた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
いくさとは——豆ヲルニ豆ノ豆ガラヲク——ようなもの。また——モトコレ根ハヒトツカラ生ジタモノ——。どんなたたかいにせよ、赤子せきしの殺し合いは、それだけでも最大な御悲嘆でなければならない。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くに正月十五日にさいの神のまつりといふは所謂いはゆる左義長さぎちやうなり。唐土もろこし爆竹ばくちくといふ唐人たうひと除夜ぢよやに、竹爆たけたふる千門のひゞきともしびもゆる万戸あきらかなりの句あれば、爆竹ばくちくは大晦日にする事なり。
神職 じたばたするなりゃ、手取てどり足取り……村のしゅにも手伝てつだわせて、そのおんな上衣うわぎ引剥ひきはげ。髪をさばかせ、鉄輪かなわを頭に、九つか、七つか、蝋燭をともして、めらめらと、蛇の舌の如く頂かせろ。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その次の夜もまた詩人は積みし落ち葉の一つをかしむれば、男星女星もまた空よりくだりて昨夜のごとく語りき。
(新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「そんぢやおめえさんもうものにや不自由ふじいうなしでえゝな」ばあさんはうらやましさうにいつた。さうしてちひさな木片もくへんいれためもつあさきたなふくろ草刈籠くさかりかごからした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
マーキュ はて、愚圖ぐずついてゐるのは、晝間ひるま炬火たいまつけてゐるも同然どうぜんふのぢゃ。これ、意味いみりゃれ。
けだし聞く、大禹鼎だいうかなえて、神姦鬼秘しんかんきひその形を逃るるを得るなく、温嶠犀おんきょうさいねんして、水府竜宮すいふりゅうぐうともその状を現すを得たりと。れ幽明の異趣、すなわ詭怪きかい多端たたんこれえば人に利あらず。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
銅色あかがねいろのうろこ雲湿潤しめりりもえて
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)