“燈”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方割合
29.1%
ともしび20.1%
あかり20.1%
とも11.7%
ともし5.9%
あか3.8%
とう3.4%
あかし1.7%
とぼ0.8%
アカシ0.6%
ランプ0.6%
つけ0.2%
しょく0.2%
0.2%
どう0.2%
0.2%
0.2%
ほのお0.2%
トウ0.2%
トモシビ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、どこをあてどもなしに走って、やっと気がいたところで、そこに板屋根の小窓から威勢のいいの見えている家があった。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
さて母屋の方は、葉越に映るともしびにも景気づいて、小さいのがもてあそぶ花火の音、松のこずえに富士より高く流星も上ったが、今はしずかになった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あかりけて本を読むのが目に悪けりゃあ、話をしていたって好いわけです。誰かがまとまった話をして、みんなで聴いても好いでしょう。
わざと、しょくともさずにある。すすきの穂の影が、縁や、そこここにうごいている。ひさしからし入る月は燈火ともしびよりは遥かに明るかった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しばらくして、浦子はぎょくぼやの洋燈ランプの心をげて、あかるくなったともしに、宝石輝く指のさきを、ちょっとびんに触ったが、あらためてまた掻上かきあげる。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼はぼんやりそのあかりを見つめていると、やがて一台の大きな荷車と、それを牽いている一頭の逞ましい馬がはっきりと見えて来た。
乞食 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
おし入の暗闇くらがりで赤色とう現像皿げんぞうさらをかざしてみながら、いかにわたし歡喜くわんきの笑みをかべたことであらうか?それからけふまでもう二十
に直行も気味好からぬ声とは思へり。小鍋立こなべだてせる火鉢ひばちかど猪口ちよくき、あかして来よとをんなに命じて、玄関に出でけるが、づ戸の内より
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
母人はまた母人で、この隱居を助けて、夜通し普請の折の木の片をとぼし、それを油火に替へたとやら。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何處からか吹きこんだ朝山オロシに、御アカシが消えたのである。當麻語部タギマカタリの姥も、薄闇に蹲つて居るのであらう。姫は再、この老女の事を忘れてゐた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
ほしなほり、ほしひめつむり宿やどったら、なんとあらう! ひめほゝうつくしさにはほし羞耻はにかまうぞ、日光にっくわうまへランプのやうに。
力に伏拜ふしをが江尻えじりの宿や興津川おきつがは薩陲峠さつたたうげは七ツ過手許てもとくらき倉澤のあひの建場を提灯つけ由井の宿なる夷子屋えびすやに其夜は駕籠を舁込かきこんだり斯て藤八宿屋のあるじ委細ゐさいの樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大城下は、目の下に、町のは、柳にともれ、川に流るる。いしだんを下へ、谷の暗いように下りた。場末の五しょくはまだ来ない。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
明るく燈火ともしびもってい、食べ散らし飲み散らした盃盤が、その燈火に照らされて乱雑に見え、二人ながらいい加減酔っているらしい。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
薄金うすがねで作った吊鐘形つりがねがたの——それに把手とってが付いているので——戦場にでも雨の夜行にでも持ち歩けるがんどうとよぶ燈具だった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
赤っぽいもれがぼんやり往来を照らしているんだが、通りがかりに何げなくのぞいた文次は、そのままぴったりそこへとまってしまった。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
有明のかげにふたりの子の寝顔を見まもっていると、やがて温かなおちついた気持がわいてき、それがしぜんと良人のうえにつながるのだった。
日本婦道記:忍緒 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それにはほのおがあって五色のあやをつくり、その光は空間を照らしていた。鬼は曾を鞭で敲いてその輪に登らした。曾はしかたなしにそれに登った。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
蕭条ショウジョウタル孤屋コオク、一トウカス
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人麿の御像ミザウのまへに 机すゑ、トモシビかゝげ 御酒ミキそなへおく﹆
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
橋のの雪をまとひて灯りけり
松本たかし句集 (新字旧仮名) / 松本たかし(著)