“浮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
54.2%
うか31.7%
うき3.9%
うわ3.7%
うは1.5%
うっ1.4%
うい0.6%
うつ0.6%
うっか0.4%
うかん0.4%
うつか0.4%
0.4%
うけ0.2%
うかべる0.2%
0.2%
ふわ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ぼくは、そうきくと、物心ものごころのつかない幼時ようじのことだけれど、なんとなく、いじらしいあにのすがたがかんで、かなしくなるのです。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると其時そのとき夕刊ゆふかん紙面しめんちてゐた外光ぐわいくわうが、突然とつぜん電燈でんとうひかりかはつて、すりわる何欄なにらんかの活字くわつじ意外いぐわいくらゐあざやかわたくしまへうかんでた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何時いつ貴方あなたがお堅くしておられますから、すこしは、うきうきなされるようにと、それで奥様からくだされたものでございましょう」
水面に浮んだ女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
うわついていた者が六助のかおを見ると、嘘ではない、ホントにお化けを見たような面をしているので、ちょっと茶化しにくいのである。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
由三は何か此う別天地の空氣にでも觸れたやうな感じがして、ちよつと氣がうはついた。またウソ/\と引返して電車みちに出る。ヤンワリと風が吹出した。埃が輕く立つ。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
御幣ははるかに、不思議に、段々みぎわを隔るのが心細いようで、気もうっかりと、紫玉は、便たより少ない心持ここちがした。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さうして夫等それらあいきるものがかさならないばかり隙間すきまなく清水谷しみづだにから辨慶橋べんけいばしつゞいて、たがひむつまじくういてゐると、とほがゝりの小僧こぞうだの閑人ひまじんが、いしけて
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
でも、何かの話の拍子に大阪の雀鮨が好きだと、ついうつかり口を滑らしたので、その男はもうめたものだと思つた。
で、言葉も時代に、鄭重ていちょうに、生真面目きまじめ応対あいしらい。小児等は気を取られて、この味噌摺坊主に、笑うことも忘れてうっかりでいる。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
去年は「元旦」と見出を置いて一寸ちょっと考えた。何もうかんで来なかったので、一昨年の元日の事を書いた。
元日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたし佐渡さどところは、上野うへのから碓氷うすひえて、ゆき柏原かしはばら關山せきやま直江津なほえつまはりに新潟邊にひがたへんから、佐渡さど四十五里しじふごりなみうへ、とるか、きかするものだ、とうつかりしてた。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
林房雄ハヤシフサオトイウ一陣涼風イチジンリョウフウニソソノカサレ、カレテナセルワザニスギズ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ふみづかひ——それも恋路のうけあゆみ、へか——目守まもれば
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
所謂鮑を得ること多きが故に、岸沚の竹を燒て海中に沈置、朝にうかべる之に枝葉につく鮑恰もはえたる木子〔茸〕の如くなるとかや(伯耆民談)。
他計甚麽(竹島)雑誌 (旧字旧仮名) / 松浦武四郎(著)
又はその当時のモテ加減なぞを思い出してっかり出た「ニヤニヤ」とか「ウフウフ」とかいう気持ちが、鼻の表現のうちを往来明滅するのを禁ずる事は出来ないのであります。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「まさか冗談じょうだんに貰やしません。いくら僕だってそうふわついたところばかりから出来上ってるように解釈されちゃ可哀相かわいそうだ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
岸本の胸にいて来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)