“暗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くら47.3%
やみ30.2%
あん7.4%
ぐら6.0%
そら2.7%
くれ1.6%
くろ1.2%
0.7%
くらい0.3%
くらがり0.3%
くらさ0.3%
くらやみ0.3%
そらん0.3%
ひそ0.3%
くらか0.1%
くらが0.1%
くらま0.1%
くらや0.1%
くらん0.1%
0.1%
アン0.1%
オロカ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高窓たかまど障子しょうじやぶあなに、かぜがあたると、ブー、ブーといって、りました。もうふゆちかづいていたので、いつもそらくらかったのです。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
死の織手が織り出したのはひそやかな火焔の心を持つ美しい「やみ」であった——そのとき私は十二人のなかの別の二人の声をきいた。
最後の晩餐 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
だから彼が、あんに、宮方へ寄せる好意のごときも、宮方の思想やその“世直し”の実現に同調しているわけではさらさらないのだ。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ、ここがこんなに、うすぐらいさびしいところでなければいいとおもうな。——なにしろ、野うさぎ一ぴき、はねてこないのだもの。
この節廻ふしまわしも合いの手もことごとくそらんじてしまっているが、あの検校と婦人の席でこれをたしかに聞いた記憶が存しているのは
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
遺恨に相違ありません谷間田はアノ、傷の沢山有ると云う一点に目がくれて第一に大勢で殺したと考えたから夫が間違いの初です成る程
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
そのというものは日増ひましにうみれて、おきほうくろうございました。毎年まいねんふゆになると、このみなとからふね航路こうろがとだえます。
黒い旗物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
くずれた、幾分は砂川すながわの底に落ちて、浮世の表から、らい国へ葬られる。葬られるあとから、すぐ新しい貝が、柳の下へたまる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なかにはえだこしかけて、うえから水草みずくさのぞくのもありました。猟銃りょうじゅうからあおけむりは、くらいうえくもようちのぼりました。
やがて大那須野おほなすのはらくらがりを、沈々ちん/\としてふかおほきあなしづむがごとぎてく。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
夜軍よいくさなりて、くらさは暗し、大将軍頭中将重衡、般若寺の門に打立うちたちて『火を出せ』とのたまふ程こそありけれ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
びんか、つぼか、其の薬が宛然さながら枕許まくらもとにでもあるやうなので、あまりの事に再び目をあけると、くらやみの中に二枚の障子。
処方秘箋 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
或一定の条件の下に教科書を読みノートをそらんじて点を取るのは碁将棋のゲームと異るところがない。人間そのものゝ修業には一向関係のないことだ。
秀才養子鑑 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
声をたずねて ひそかに問う く者はたれぞと
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
有らざるなかに同町三丁目に數代すだいつゞく小西長左衞門といふ藥種屋やくしゆやあり間口凡そ二十間あまりにして小賣店こうりみせ問屋店とひやみせ二個ふたつに分ち袖藏そでぐらあり奧藏あり男女夥多あまたの召仕ありて何萬兩といふ身代しんだいなればなにくらからず送りゆく主個あるじ長左衞門は今茲ことし(享保二年)五十の坂を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
呼吸いきめて、なほすゞのやうなひとみこらせば、薄暗うすぐら行燈あんどうほかかべふすま天井てんじやうくらがりでないものはなく、ゆきくるめいたにはひとしほで、ほのかにしろいはわれとわが、おもかげほゝあたり
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
『でせう——それそこが瀬川君です。今日こんにちまで人の目をくらまして来た位の智慧ちゑが有るんですもの、余程狡猾かうくわつの人間で無ければの真似は出来やしません。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
お互にはんたいのくらやみに向いていて、骨にしみるような雨の音をわびしく聞き入りながら次第に何か話したいような妙な経験したことのない状態にいた。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
貧苦の恐れと女房の嘆きに心までくらんで仕舞いうやらこうやら伯父を殺して其身代を取る気に成たのです藻西のほかには誰も其老人を殺して利益を得る者は一人も無いと云うたでは有りませんか
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
いにしへの秋の夕べの恋しきに今はと見えし明けれの夢
源氏物語:41 御法 (新字新仮名) / 紫式部(著)
イヘ玉笛ギヨクテキアンコヱトバ
武者窓日記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
かれ等われよりオロカにしてわれよりしれものなるに、來りてわれを侮りわれを辱しむ。われもとより其心術の陋しきをあはれむばかりの誇りはあれど、長く其眼をのがれてひとり在らんことを希ふ。
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)