“詰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つま30.6%
なじ30.6%
18.8%
つめ7.7%
づめ5.3%
づま1.4%
0.9%
0.7%
つむ0.5%
つづ0.4%
づまり0.4%
なじる0.4%
なぢ0.4%
きつ0.2%
0.2%
きっ0.2%
0.2%
せま0.2%
つう0.2%
つまっ0.2%
つまら0.2%
とが0.2%
はま0.2%
0.2%
ツメ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「道は却って道無きを道とす、かも知れないよ。つまり、仕官も学問も自分の本当の宝になるものじゃ無くて、つまらないからなあ」
荘子 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
西行が、再び瓢然として、その寒そうな姿を神護寺の門外に運び去った時、弟子たちは、かねての豪語にも似ぬ文覚の態度をなじった。
西行の眼 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
でっぷりえた中年の人間が——倉庫係のおじさんだ——ぼくたちのぎっしりまっているボールばこを手にとって、ふたを明けたのだ。
もくねじ (新字新仮名) / 海野十三(著)
東京天王寺てんのうじにて菊の花片手に墓参りせし艶女えんじょ、一週間思いつめしがこれその指つきを吉祥菓きっしょうかもたたも鬼子母神きしぼじんに写してはと工夫せしなり。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ところへ、ふとこの頃、玄蕃が元指南番の職を奉じていた宮津の城主京極丹後守が今度江戸づめとなって出府したという噂を聞いた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夫人はふるい日本の婦人たちがこれまで少し行きづまるといつもすぐ決行したような安易な死を選ばずとも、もっと力強い積極的な態度をもって
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「よい。判った。心配するには及ばぬ。あしたからは夜も昼もおれが揚げめにして、ほかの客の座敷へは出すまい」
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
K——青年は気軽にいてみた。そして二三度じってみても彼女は迷惑そうに笑っているだけで、何とも答えなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
思い/\て夜を明し藻西太郎は確に無罪なりと思いつむるに至りしかど又ひるがえりて目科の細君が言たる所を考え見れば
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
輪に吹き、山に吹き、雲に吹く濃き色のうちには、立ち掛けた腰をえ直して、クレオパトラと自分の間隔を少しでもつづめる便たよりが出来んとも限らぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところがその普通の径路を行き尽くして、もうこれがどんづまりだと云う間際まぎわになると、魂が割れて二様の所作しょさをする。第一は順風に帆を上げる勢いで、このどん底まで流れ込んでしまう。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
前後を読人よむひと層見重出そうけんちようしゆつなじることなかれ。
『何しや來たす此人このふとア。』と言つて、執念しつこくも自分等の新運命を頓挫させた罪をなぢるのであつたが、晩酌に陶然とした忠太は、間もなく高い鼾をかいて、太平の眠に入つて了つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
暫しは恍然うつとりとして氣を失へる如く、いづこともなくきつ凝視みつめ居しが、星の如き眼のうちにはあふるゝばかりの涙をたゝへ、珠の如き頬にはら/\と振りかゝるをば拭はんともせず
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
胸一杯の悲しみにことばさへ震へ、語り了ると其儘、齒根はぐき喰ひしばりて、と耐ゆる斷腸の思ひ、勇士の愁歎、流石さすがにめゝしからず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
近所は、港にもやった無数の廻船かいせんのように、ただぎっしりと建てんだ家の、同じように朽ちかけた物干しばかりである。
交尾 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
さしせまった苦しさというものは、勇気を与えるが、それも長く忍んでいると詠歎的になってしまうものだ。
九条武子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「やあい、つうまった/\!」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
いよ/\セッパつまったその時に、私は伝馬船てんまぶねを五、六日の間やとって、新銭座しんせんざの浜辺につないでおいたことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
有「へえ、それはつまらねえ話で、其様そんな奴なら打殺ぶっころしてしまうってんで…」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
難有ありがとう御座います。それで僕も安心しました。イヤまことに失礼しました匆卒いきなり貴様をとがめまして……」と彼は人をおしつけようとする最初の気勢とはうって変り、如何いかにも力なげにわびたのを見て
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そうして痛い腹をかかえながら、膏汗あぶらあせになって歩いたくらいである。鶏冠山けいかんざんを下りるとき、馬の足掻あがきが何だか変になったので、気をつけて見ると、左の前足の爪の中に大きな石がいっぱいにはまっていた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
門をめ、本堂のシトミまでも下して、堂内に静坐し、十露盤を控へて、ぱち/\と数をめて行つたさうだ。
三郷巷談 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
秀吉ガ御馬ノ先手衆サキテシユウ鑓合ヤリアハセ申スト等シク、日向守ガ備ヘヲバ突キ崩サレ、一町バカリ引退ヒキノク処ヘ、又々、敵ノ先手ツメカケ候ヘバ、秀吉、味方若シヤ押掛オシカカラレクヤト思シメシケム
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)