“難有”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ありがた62.2%
ありがと27.6%
ありがて4.0%
ありがたく2.2%
ありがたき1.1%
ありが0.7%
ありがたい0.7%
ありがとう0.7%
なんある0.4%
ナンウ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
若いものは若い同士、本家の方へお連れ申して、土用正月、歌留多うたがるたでも取って遊ぶがい、嫁もさぞ喜ぼう、と難有ありがたいは、親でのう。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いいえ、そんなじゃありません。切なければきに寝ますよ。お嬢さん、難有ありがとう存じます。貴嬢あなた、よくおいで下さいましたのね。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
顔へ済まねえをあらわして、さも嬉しそうに難有ありがてえ、苦労させるなんて弱いを出して御覧ごろうじろ、やっこさんたちまちなめッちまいますぜ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
盆栽の写真十八枚御贈り被下くだされ難有ありがたく奉存ぞんじたてまつり候。盆栽のことはわれわれ何も存ぜず候へども、定めて日々の御手入おていれも一方ならざる事と存候。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
中には見ず識らずの人も多きにわざわざ書を寄せられてとかくの御配慮にあずかる事誠に難有ありがたき次第とそぞろ感涙に沈み申候。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「それサ、おれ先刻さっきから其奴を言おうと思ってたんだ、何しろ難有ありがてエ難有てエ、ア、助ったナア」
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
今これらのことを考えてみると非常に難有ありがたい心持がする。私は十四、五歳の頃五、六人の親しい友があったが皆相応な地位を保っている。
イエスキリストの友誼 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
山田さんは難有ありがとうともいわないで馳けて行った。乃公も少し寒くなったから大急ぎでおっ走って来た。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「なべては十月には花も過葉もかれにつゝ(く?)萩の、此引馬野には花も残り葉もうるはしくてにほふが故に、かくよめりと見るとも難有なんあるべからず。草木は気運により、例にたがひ、土地により、遅速有こと常のことなり」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
恩愛オンアイ」オンナイ、「難有ナンウ」ナンヌ、「仁和ニンワ」ニンナ、「輪廻リンヱ」リンネ、「因縁インエン」インネン、「顔淵ガンエン」ガンネン。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)