“つめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツメ
語句割合
47.3%
37.4%
9.9%
0.9%
0.9%
指甲0.7%
節儉0.4%
0.2%
二蛪0.2%
0.2%
弾爪0.2%
0.2%
0.2%
爪牙0.2%
琴爪0.2%
節倹0.2%
節約0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
砂馬は足のあかをよって、黒い玉にすると、そいつをつまんで、つめのさきでぽんと庭にはじいた。空いた右手では「朝日」をすいながら
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
かれは、このつめたいかぜが、かえって、かなしい自分じぶんむねにしみるように、いつまでもここにいて、かぜかれていたい気持きもちがしました。
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
せんつめて来ますと、どこに一つ二郎君を疑う理由も見出せないのです。如何でしょう、これでも二郎君が殺人犯人でしょうか
火縄銃 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
サ、犠牲いけにえに捧げます。お打ち遊ばせ、おつめり遊ばせ、この頃ようようなくなりましたこのお身体からだ生疵なまきずをまたいくらでもお付けなさい。どんなにでもお責めなさいな。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
回向ゑかうするやうな持主の目は種牛から離れなかつた。種牛は最早もう足さへも切離された。牧場の草踏散らした双叉ふたまたつめも、今は小屋から土間の方へ投出はふりだされた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あれは犬じゃ烏じゃと万人の指甲つめはじかれものとなるは必定ひつじょう、犬や烏と身をなして仕事をしたとて何の功名てがら
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もどれば太郎たらうはゝはれて何時いつ/\までも原田はらだ奧樣おくさま御兩親ごりようしん奏任そうにんむこがある自慢じまんさせ、わたしさへ節儉つめればときたまはおくちもの小遣こづかひもさしあげられるに
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
道傍の煑賣屋の風呂のつめと、この二つの新らしい事件は、文吾の幼い頭を掻き亂して、何やら其處に物があるやうな氣がしてゐた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「文吾はん、杉の屋の風呂のつめ拔いて來て呉れんかい。俺等おいらが行くと目立つさかい、お前なら丁度よい、早う/\。」
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
わが邦の今も小児のみか大人まで蟹の両眼八足を抜いて二蛪つめのみであるかせたり蠅の背中に仙人掌サボテンとげを突っ込みのぼりとして競争させたり、警察官が婦女を拘留して入りもせぬ事を根問ねどいしたり
もとたゞ「ア」をつめて短く發音さす爲にいつの世にか添加せられたもので、拉丁語の「アトミラーリス」と云ふ形容詞とは何等の關係があつた譯ではありませぬ。
金剛智三蔵と将軍米准那 (旧字旧仮名) / 榊亮三郎(著)
そして弾爪つめを嵌めた彼の指は、まるで蠅のやうに弦の上を走りまはつて、さながら弦がひとりでに鳴るかとも思はれる程であつた。
と心を締めて居るうちに、漸々だん/″\眠くなって来たから、もゝつめッたり鼻をねじったりして忍耐がまんしても次第に眠くなる、酒を飲んで居るからいけません。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お忘れあそばすな」と言ふさへに力籠ちからこもりて、その太股ふとももしたたつめれば、貫一は不意の痛にくつがへらんとするを支へつつ横様よこさまに振払ふを、満枝は早くも身を開きて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一心不乱に爪牙つめぎ澄ましている二人であったのだ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『……あ。もしやこの琴爪つめぬしは』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戻れば太郎の母と言はれて何時々々いついつまでも原田の奥様、御両親に奏任のむこがある身と自慢させ、わたしさへ身を節倹つめれば時たまはお口に合ふ物お小遣こづかひも差あげられるに
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それから船長おやじ一流の冒険だが六時間の航程コース節約つめるために、鳴戸なるとの瀬戸の渦巻を七千トンの巨体で一気に突切って
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
て駿州木綿島村もめんじまむらへ十月十五日に着たりける然るにじん太夫は平常へいぜい痰持たんもちにて急にせりつめけるが三四日の内に思ひの外全快ぜんくわいし先常體つねていなれば夫婦は早速さつそく對面なせしに甚太夫は兩人が遠方ゑんぱうの所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)