“詮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せん81.9%
あきら7.8%
カヒ3.4%
あき2.6%
つま0.9%
あらわ0.9%
かい0.9%
かひ0.9%
せんじつ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いかほどお前たちが口惜くちおしく存じてもせんない事さ。とかく人の目を引くような綺麗なものは何ののとねたまれ難癖を付けられるものさ。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
客 あれは、いまおもえば、僕のさびしいあきらめだった。それが何処かで、あの物語の女のさびしい気もちと触れあっていたのだな……
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
乳母オモに相談かけても、一代さう言ふ世事に與つた事のない此人は、そんな問題には、カヒない唯の、女性ニヨシヤウに過ぎなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
前の夫を行きずりの男だと思い込んで行きずりの男に身をまかせると同じようなあきらめで身をまかせていたこの惨めな女
曠野 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
つまり、これから自活する決心で今晩から某家へ雇われる事になった。永く辛抱が出来ればいいが、未来の事は誰にも判らない。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
言葉は簡単ですが、そのあらわす所の意味に至ってはまことにふかいものがあるのです。しかし、手っ取り早く、その意味を申し上げれば、つまりこうです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
乳母に相談かけても、一代そう言う世事に与った事のない此人は、そんな問題には、かいない唯の女性にょしょうに過ぎなかった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
乳母おもに相談かけても、一生さうした世事に与つた事のない此人は、そんな問題には、かひない唯の女性によしやうに過ぎなかつた。先刻さつきからまだ立ち去らずに居た当麻語部の嫗が、口を出した。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
日本人のナンセンス文学にはどうも重苦しい、封建的せんじつめの伝統を脱しきらないところがあって、たとえば佐々木邦の滑稽小説にしても、新時代の精神に触れていない。鈍重で、陳腐である。
昭和四年の文壇の概観 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)