あき)” の例文
前の夫を行きずりの男だと思い込んで行きずりの男に身をまかせると同じようなあきらめで身をまかせていたこの惨めな女
曠野 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
此辺の豪農の家では、以前よく強盗に入られるので、二十円なり三十円なり強盗に奉納ほうのう小金こがねを常に手近に出して置いたものだ。無益の争して怪我するよりも、とあきらめて然するのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
が、一方、女はそういうどうにも為様のないようなあきらめに落ち着こうとしている自分が、かえって昔の自分よりもふがいなく思えてならなかった。
姨捨 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)