“握”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にぎ74.6%
つか18.1%
1.9%
にぎり1.9%
とりしば0.8%
にぎら0.8%
ノッブ0.4%
にぎっ0.4%
あく0.4%
つかん0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みんなは、しずかになりました。そして、としちゃんは、まるまるとした鉛筆えんぴつにぎって、おかあさんの、おかおおもしているうちに
さびしいお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
王侯将相何ぞしゆあらんや。平民から一躍して大臣の印綬をつかむ事の出来る今日ぢやぞ。なア亀井、筆なんぞは折つぺしッて焼いて了へ。
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
ここにその神の髮をりて、その室のたりきごとに結ひ著けて、五百引いほびきいは一二を、その室の戸に取りへて、そのみめ須世理毘賣を負ひて
いよいよ死んじまえと思って、体を心持あとへ引いて、手のにぎりをゆるめかけた時に、どうせ死ぬなら、ここで死んだってえない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が作り仕へまつれる大殿内とのぬちには、おれまづ入りて、その仕へまつらむとする状を明し白せ」といひて、横刀たち手上たがみとりしばほこゆけ矢刺して、追ひ入るる時に
是以こゝをもつて君をはいして親王を立、国柄こくへいを一人の手ににぎらんとの密謀みつぼうあり 法皇ほふわうも是におうじ玉ふの風説ふうせつありとことばたくみざんしけり。時に 延喜帝御年十七なり。
ドアノッブを掴んだまま血みどろになって死んでいたという、若い夫人の姿も、どうやら眼にちらつくような気がする。
亡霊ホテル (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
過日も横浜から例の青札あおふだを以て上等に飛込み神奈川にあがった奴がある。私は箱根帰りに丁度ちょうどその列車に乗て居て、ソット奴の手ににぎってる中等切符を見て、扨々さてさていやしい人物だと思いました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かくて南郡、襄陽、荊州の三城は、血もみずに、孔明の一あくに帰してしまったものである。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
所が悲しい事には支那人の頭は前の方をすって居るから旨く届かぬ僅に指先で四五本つかんだが其中に早や支那人の長い爪で咽笛のどぶえをグッと握まれ且つ眉間を一ツ切砕きりくだかれウンと云って仰向にうしろへ倒れる
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
よく物を言ふ眼が間断ひまなく働いて、ほどけばに余る程の髪は漆黒くろい。天賦うまれつきか職業柄か、時には二十八といふ齢に似合はぬ若々しい挙動そぶりも見せる。一つにはだ子を有たぬ為でもあらう。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)