“賤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いや67.0%
しず14.8%
いやし7.5%
しづ5.8%
やす1.2%
シヅ0.6%
あや0.3%
いやしき0.3%
おと0.3%
かろ0.3%
がつ0.3%
0.3%
さげす0.3%
さも0.3%
せん0.3%
ひく0.3%
イヤ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「口をおあきつてばさ!」彼女は男がさし出した手の平をぴしやりとつて云つた。男はいやしく笑ひ乍らあんぐりと黒い口を開いた。
このおんなの日頃ねんじたてまつる観音出でて僧とげんじ、亡婦ぼうふの腹より赤子をいだし、あたりのしずにあづけ、飴をもつて養育させたまひけり。
小夜の中山夜啼石 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
阿父さんはこの家業を不正でないとお言ひなさるが、実に世間でも地獄の獄卒のやうに憎みいやしんで、附合ふのもはぢにしてゐるのですよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
佐久間玄蕃さくまげんば中入なかいり懈怠けたいのためか、柴田勝家しばたかついへしづたけ合戰かつせんやぶれて、城中じやうちう一息ひといき湯漬ゆづけ所望しよまうして、悄然せうぜんきたさうへとちてく。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
晏子こたえて「おおせの通りで御座ります。近来はようの価がたかく、の価がやすくなりましたように存じまする」と申上げた。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
武家が都に入りまじる様になつた王朝末に、殊に目について来たのは「シヅのみやび」に関する様々の物語であるが、此が此小町の物語には、融合して居る。
鸚鵡小町 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此の家あやしけれど、おのれが親の五〇目かくる男なり。五一心ゆりて雨め給へ。そもいづ旅の御宿やどりとはし給ふ。御見送りせんもかへりて無礼なめげなれば、此のかさもて出で給へといふ。
やがて、此が知れると、月余げつよさと小路こうじに油を買つた、其のあぶらようして、しかしてあたいいやしきあやしんだ人々が、いや、驚くまい事か、塩よ、楊枝ようじよと大騒動おおそうどう
雨ばけ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
君の贈遺のもろ/\はアキルリュウスもおとしめじ。
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
原稿料を請取ると大いに満足して直ぐ何処どこへか旅行しようと得意になる心のさもしさをかろんじて日記にののしっている。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
あるひは一一二がつ椎柴しひしばをおほひて雨露をしのぎ、つひとらはれて此の嶋にはぶられしまで、皆義朝よしともかだましき計策たばかりくるしめられしなり。
話がだんだんみしくなって来た。顔に似合わず、彼女もやはり女であった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
重んずるとさげすむとが新旧世界を分画する最も著明な境界線である
相変らずさもしい愚痴も出て、たまに買って来る好きなオレンジも、めったに彼女の口へ入らず、肉やさかなも思いやりなくさらわれてしまうのだそうであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「身、五民ノ外ニ処シテ、或ハニヨク、或ハせんニヨシ、上ハ王皇ニ陪シテ栄ト為サズ、下ハ乞児きつじニ伍シテ辱ト為サズ、優游シテ以テ歳ヲをはルベキモノ、唯我ガ技ヲしかリト為ス……エヘン」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大路の事であるから、たかき人も行き、ひくき者も行き、職人も行き、物売りも行き、老人も行けば婦人も行き、小児も行けば壮夫も行く、亢々然こうこうぜんと行くものもあれば、踉蹌ろうそうとして行くものもある。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
飢エタオルル共、二君ヲ求ムル心無ク、夫婦シテ流転年久シク、イヤシキワザシテ歩クウチ、一年ヒトトセ中国ノ一寺ニ、一女ヲ捨テ、伝来ノ天音一管ヲ襁褓ムツキニ添エテ、慈悲ノ御廂ミヒサシ
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)