“卒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
39.8%
そつ8.9%
おわ5.7%
5.7%
には4.9%
4.9%
いざ4.9%
しゅっ4.1%
しゆつ3.3%
つひ2.4%
にはか2.4%
しゅつ2.4%
にわか1.6%
おえ1.6%
をは1.6%
おは0.8%
そっ0.8%
0.8%
つい0.8%
ひき0.8%
ツヒ0.8%
ニハカニ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時の君は早や中学をえようとするほどの立派な青年であった。君は一夏はお父さんを伴って来られ、一夏は君ひとりで来られた。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼女の手にかかると、毎日のけものの色にも水々した生彩があり、さかなや野菜ものの目利きにもそつがなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
何んでもこれを四年で卒業する仕組みになっていたようだが、私は下等一級をおわった時小学校が嫌になって自分で退校してしまった。
二人は稍得意な笑顔をしてうなづき合つた。何故なれば、二人共尋常科だけはへたのだから、山の字も田の字も知つてゐたからなので。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
君もにはかに金なくてかなはぬ時、餘所にてそを借り給はば、二割三割などいひて、おびたゞしき利息を取られ給ふべし。さる時あらば、必ず我許に來給へ。
彼は美校をて、朝鮮で教師をしていたのだが、そこで喀血すると、すぐ休暇をとって、来た、というけれど、今はもう殆んど平熱になっていた。
いざと云ふ場で貴方の腕が鈍つても、決して為損しそんじの無いやうに、私刃物きれものをお貸し申しませう。さあ、間さん、これをお持ち遊ばせ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「此席は機密な軍議の場である。信玄公しゅっするの時、武田家の軍機は我等四人内密に行うべきを遺言された。この大事の席に何事だ」
長篠合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
六年後、宗全と勝元相次いでしゆつし、義政もまた職を義尚よしひさに譲つたが、両軍は、尚ほ相対峙して、容易に戈を納めなかつた。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
と。すですること(二九)はいをはりて、(三〇)田忌でんきひとたびたずしてふたたつ。つひわうの千きんたり。ここおい孫子そんし威王ゐわうすすむ。
書斎に掛けたる半身の画像こそその病根なるべきを知れる貴婦人は、にはか空目遣そらめづかひして物の思はしげに、例の底寂そこさびし打湿うちしめりて見えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
加藤式部少輔明成は、父嘉明よしあきしゅつ家督かとくをついでから九年目になる、評判のよろしくないこの人は、四十万石の家中かちゅう河村権七かわむらごんしち堀主水ほりもんどかといわれたほどの名臣、主水を憎んでいた。
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
子澄が曰く、しからず、燕はあらかじめ備うること久しければ、にわかに図り難し。よろしく先ずしゅうを取り、燕の手足しゅそくり、しこうして後燕図るべしと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
主人公の親友が学業のおえるを待たずして独逸に遊学する談話とを以て局を結んでいる。
上野 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一時の現象を罵り、政治もしくは社界の汚濁を痛罵するを以て諷刺家のわざをはれる者とおもふは非にして、一時の現象を透観するの眼光は、万古の現象にも透観すべきはずなり。
一方に凡愚の輩が、詰らぬ事さへ能く出來ぬのは、即ち何も出來ずにおはる所以なのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
太宰少弐小野老朝臣だざいのしょうにおぬのおゆのあそみの歌である。おゆは天平十年(続紀には九年)に太宰大弐だざいのだいにとしてそっしたが、作歌当時は大伴旅人が太宰帥だざいのそちであった頃その部下にいたのであろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
葡萄大谷の弓掛部落、その部落の百人おさ、紋十郎が一味を引きれてだだら遊びをしているのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
景隆は召還めしかえされしが、黄子澄こうしちょう練子寧れんしねいは之をちゅうせずんば何をもっ宗社そうしゃに謝し将士を励まさんといしも、帝ついに問いたまわず。燕王は済南を囲むこと三月に至り、ついくだすことあたわず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
狭手彦の軍をひきひて、任那みまなを鎮め、また高麗こまちしことはふみに見ゆ。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
昔日ハ即根津権現ノ社内ニシテ而モ久古ノ柳巷イロザトナリ。ツヒニ天保ノ改革ニ当ツテ永ク廃斥セラル。
上野 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
辞狗難ニハカニ。有十銭一疋。蓋人中最下之種、屠死牛馬、為食者也。
エタに対する圧迫の沿革 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)