“進”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すす29.3%
すゝ28.4%
しん10.9%
9.2%
まい3.1%
すすん2.6%
すすむ1.3%
すゝむ1.3%
まゐ1.3%
すゝみ1.3%
すすみ0.9%
まいら0.9%
すゝめ0.9%
すゝん0.9%
たてまつ0.9%
0.9%
0.9%
タテマツ0.9%
あげ0.4%
まゐら0.4%
0.4%
0.4%
しんじ0.4%
すゝま0.4%
すヽ0.4%
せせ0.4%
0.4%
めえ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
矢張やは歴史れきし名高なだか御方おかただけのことがある。』わたくしこころなかひとりそう感心かんしんしながら、さそわるるままに岩屋いわや奥深おくふかすすりました。
越前ゑちぜん武生たけふの、わびしい旅宿やどの、ゆきうもれたのきはなれて、二ちやうばかりもすゝんだとき吹雪ふゞき行惱ゆきなやみながら、わたしは——おもひました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
冬向は一切浴客よっかくはありませんで、野猪しし、狼、猿のたぐいさぎしん雁九郎かりくろうなどと云う珍客に明け渡して、旅籠屋は泊の町へ引上げるくらい。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
乳離れの赤児あかごにちょうどいい菓子は僕が今拵えてげるよ。お徳や、例の軽焼餅を持っておいでな。大原君、この軽焼餅は別製だぜ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
また、銀鴨一羽取りて(兼ねて鳥屋とや内に置く)参進して葉柯ようかに附くとあり。これは銀製の鴨を余興にまいらせたと見ゆ。
それからその荷物を運んでろうと云うので、夜具包やぐづつみか何の包か、風呂敷包をかついだり箪笥たんすを担いだり中々働いて、段々すすんで行くと
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
新しいランドセルを脊負せおひ、新しい草履袋をさげて、一年生のすすむちやんは、元気よく学校から帰つて来ました。
母の日 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
感歓かんくわんまりて涙にむせばれしもあるべし、人を押分おしわくるやうにしてからく車を向島むかふじままでやりしが、長命寺ちやうめいじより四五けん此方こなたにてすゝむひくもならず
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
賣代うりしろなすならば少しばかりの錢にはならん父御のくちかなひし物を調とゝのへてなりまゐらせよとくだんくしあたへしかば娘は之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
○さて堂内人さんじて後、かの山長やまをとこ堂内に苧幹をがらをちらしおく㕝れいなり。翌朝よくてうおとこ神酒みき供物くもつそなふ、うしろさまにすゝみさゝぐ、正面にすゝむを神のいみ給ふと也。
下等士族はすなわしからず。役前やくまえほか、馬に乗る者とては一人ひとりもなく、内職のかたわらに少しく武芸ぶげいつとめ、文学は四書五経ししょごきょう、なおすすみ蒙求もうぎゅう左伝さでんの一、二巻に終る者多し。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「いやとよ大王。大王もしまこと空腹ものほしくて、食物かてを求め給ふならば、やつがれ好き獲物をまいらせん」「なに好き獲物とや。……そは何処いずこに持来りしぞ」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
西にしひがしはてしなき大洋たいやうめんでは、荒浪あらなみさわぎ、ていをどつて、とても仔細こまかいはなしなどは出來できない、かく巨濤おほなみは、げんくだけてていくつがへらんとす、大尉たいゐラタをば右方うほうまはし、『すゝめ!。』の一聲いつせい
此差このさおよそ二年半餘はんあまりにして一月ばかりなるゆゑ、其時そのときいた閏月しゆんげつき十三ヶ月を一年となし、地球ちきうすゝんもとところ行付ゆきつくまつなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
この歌の近くに、清江娘子すみのえのおとめという者が長皇子にたてまつった、「草枕旅行く君と知らませばきし埴土はにふににほはさましを」(巻一・六九)という歌がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ここに至って警察は二も三もできぬ破目に陥ってしまったのである。或は誰かの単なる悪戯かも知れないが、悪戯としても、ウォーカーや判事が特に選ばれたのはどういう訳であろうか。
恐ろしき贈物 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
と云ひながら後に随いて格子戸くゞり、寒かつたらうに能う出て来たの、生憎お吉も居ないで関ふことも出来ぬが、ちゞこまつて居ずとずつと前へて火にでもあたるがよい
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
此によつて……タテマツる物は、……横山の如く置き高成タカナして、天津祝詞の太祝詞事を以ちてたゝへ、コトをへまつらくと申す。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
一度たべる樣に致てすこしにても母樣の御口に適物を調へてあげんと思へども夫さへ心の儘ならずされどもうなぎあげたらお力も付ふかと存夜業よなべに糸をくりし代にて鰻を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あげ何卒なにとぞゆるしてたべわたしは源次郎といふをつとのある身金子が入なら夫より必ずお前にまゐらせん何卒我家へ回してと泣々なく/\わびるを一向聞ず彼の雲助くもすけは眼を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
れよ……」綽空が、くるまの上からいう。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿那律寡婦に語りて言う、もし我に由らば、ことごとく宿をゆるすべしと。賈客すなわち前にる。寡婦またこれなる念いを作す。
扨津軽屋へ約束いたし候院之荘之古簾ふるすだれ、旧冬やう/\と得候故、船廻しにしんじ候。御届可被下候。後醍醐帝御旅館それがしが家に、今簾をかけ候。これは須磨などに行在処あんざいしよの跡とてかけ候を見及たるや。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
通て行と云は世にめづらしい人も有と口には言ねど幼稚心こどもごころの腹の中にて思ひつゞけすゝまぬ足を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かたちだけはまいりもせんこヽろ容易たやすくたてまつりがたしとつたたまへと、こともなくひてきいれる景色けしきのなきに、おたみいひ甲斐がひなしと斷念だんねんしてれよりはまたすヽめずとぞ、經机きようづくゑ由縁いはれかくのごとし。
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
嶮崖けんがいくだり渓流をもとめてはくせんとす、れてつゐに渓流にいたるを得ず、水声ちかく足下にあれども峻嶮しゆんけん一歩もせせむを得ず、嵯乎ああ日のるるを二十分ばかりはやかりし為め、つゐに飯をかしぐの水を得ず
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
それと知ると、お千代を直ぐに総司の枕元へれて来た。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「上ッたか、下ッたか、何だか、ちッとも、知らないけれども、平右衛門へいえもん台辞せりふじゃアないが、酒でもちッとめえらずば……。ほほ、ほほ、ほほほほほほほ」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)