“離”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はな82.1%
さか4.5%
はなれ3.0%
か2.7%
ばな2.1%
り1.2%
き0.9%
さ0.9%
わか0.3%
つら0.3%
は0.3%
はか0.3%
はぐ0.3%
ぱな0.3%
ほぐ0.3%
カ0.3%
サカ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは、広(ひろ)い、さびしい野原(のはら)でありました。町(まち)からも、村(むら)からも、遠(とお)く離(はな)れていまして、人間(にんげん)のめったにゆかないところであります。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あなあはれ、遠田の蛙、また聴けば、遠く隔てて、夜の闇の瀬の音(と)隔てて、いや離(さか)りうち霞み鳴く。また寄せて近まさり鳴く。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
研究が進んで来ると復一は、試験所の研究室と曲もの細工屋の離(はなれ)の住家とを黙々として往復する以外は、だんだん引籠(ひきこも)り勝ちになった。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
あの方がますます私からお離(か)れがちになっていられる間も、私の家は丁度あの方が内裏(うち)から御退出になる道すじにあたっていたので
かげろうの日記 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
道筋(みちすぢ)には處々(ところ/″\)離(はな)れ離(ばな)れな家(いへ)の隙間(すきま)に小(ちひ)さな麥畑(むぎばたけ)があつた。麥畑(むぎばたけ)の畝(うね)は大抵(たいてい)東西(とうざい)に形(かたち)づけられてあつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それがしの思うに、かかるときは、むしろ『離(り)』ということが大事ではないかと考えられます。ご執着から離れることです。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
合ふさ離(き)るさの気立(けたたまし)く、肩相摩(けんあひま)しては傷(きずつ)き、轂相撃(こくあひう)ちては砕けぬべきをも覚えざるは、心々(こころごころ)に今を限(かぎり)と慌(あわ)て騒ぐ事ありて、不狂人も狂せるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
善鸞 離(さ)られてから病気になりました。私は会う事も許されませんでした。ついに女は死にました。私は死に目にも会えなかったのです。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
一たび離(わか)れまゐらせて後、一〇二たのむの秋より前(さき)に恐ろしき世の中となりて、里人は皆家を捨てて海に漂(ただよ)ひ山に隠(こも)れば、適(たまたま)に残りたる人は、多く一〇三虎狼(こらう)の心ありて
然(しか)れども善(よ)く(二五)書(しよ)を屬(しよく)し辭(じ)を離(つら)ね、事(こと)を指(さ)し情(じやう)を類(るゐ)し、用(もつ)て(二六)儒(じゆ)・墨(ぼく)を剽剥(へうはく)す。當世(たうせい)の(二七)宿學(しゆくがく)と雖(いへど)も(二八)自(みづか)ら解免(かいめん)すること能(あた)はざる也(なり) 其言(そのげん)(二九)洸洋自恣(くわうやうじし)以(もつ)て己(おのれ)に適(かな)ふ。
総(す)べて鳥の身体(からだ)は五つに載り別けるのが法です。大きい鳥でも小さい鳥でも法則の通り五つに別けて行けば極く楽に肉や骨が離(は)なれますけれども一つ法に外(はず)れると肉が骨へついて始末になりません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「道のべの荊(うまら)の末(うれ)に這(は)ほ豆のからまる君を離(はか)れか行かむ」(同・四三五二)も同じような場面だが、この豆蔓(まめづる)の方は間接に序詞を使って技巧的であるが、それでも
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
王滝川の岸に添うて二里も三里もある道を歌いながら通って来る幾組かの娘達は、いずれも連に離(はぐ)れまいとし、人に踏まれまいとして、この群集の中を互に手を引合って歩いた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
オヤ、可哀相(かあいさう)に私(わたし)の小(ちひ)さな足(あし)は!今(いま)、誰(だれ)がお前(まへ)に靴(くつ)や靴足袋(くつした)を穿(は)かしてくれるでせう?私(わたし)には迚(とて)も出來(でき)ないわ!でも、餘(あンま)り遠(とほ)ッ離(ぱな)れて居(ゐ)るんですもの。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
煩(うるさ)いほど沢山蠅の群が集つて、何処(どこ)から塵埃(ほこり)と一緒に舞込んで来たかと思はれるやうに、鴨居だけばかりのところを組(く)んづ離(ほぐ)れつしたのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「八田の一本菅は、ひとり居りとも、居り敢へむ」「人はかゆともはかられゐむ(又は離(カ)るとも、離(カ)るに任せむ)」
副詞表情の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
石(イソ)ノ上布留(カミフル)の命は、嫋女(タワヤメ)の惑(マド)ひによりて、馬じもの縄とりつけ、鹿(シヽ)じもの弓矢囲(カク)みて、大君の命畏み、天離(サカ)る鄙辺(ヒナベ)に退(マカ)る。ふるごろも真土(マツチ)の山ゆ帰り来ぬかも(万葉集巻六)
相聞の発達 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)