“仔細”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しさい92.6%
わけ4.7%
いきさつ0.5%
しせえ0.4%
こまか0.4%
いりわけ0.2%
こと0.2%
ことわり0.2%
こま0.2%
しせい0.2%
わけあい0.2%
わけえ0.2%
シサイ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「今朝の味噌汁みそしるが惡うございました。飯にも香の物にも仔細しさいはなかつた樣子で、味噌汁を食はないものは何ともございませんが——」
ロレ (傍を向きて)それはおそうせねばならぬ仔細わけが、此方こちわかってをらなんだらなア!……あれ、御覽ごらうぜ、ひめ此庵こゝにわせられた。
きょうこうしてはからずもお多喜の眼に触れて、その宗七の家へ引き取られたという仔細いきさつ
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
作「わしもヤアぶち出しにくかったが、お前様めえさまが承知なら頼まれげえが有って有難ありがてえだ、うなればわしイ及ばずながら媒妁なこうどする了簡だ、それじゃア大丈夫だろうネ、仔細しせええね」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
薪とりにいでし四十九日目の待夜たいや也とていとなみたる仏㕝ぶつじにはかにめでたき酒宴さかもりとなりしと仔細こまかかたりしは、九右エ門といひし小間居こまゐ農夫ひやくしやう也き。
角助 なるほど皆さんのいふ通り、お家を捨て、お命をすてゝ、覺悟をおきめなさるには、云ふにいはれぬ深い仔細いりわけもござりませう。どうか幾重にも御勘辨をねがひます。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
「少し尋ねたい仔細ことがあってな」
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
満月と自分の身体からだに万一の事がないうちにと仰言るような仔細ことわりで、こちらからお願い申上げまする通りのお金を積んで、満月ことを御身請おみうけなされまして、嵯峨野の奥の御邸おやしきを御造作なされ変えて
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
西にしひがしはてしなき大洋たいやうめんでは、荒浪あらなみさわぎ、ていをどつて、とても仔細こまかいはなしなどは出來できない、かく巨濤おほなみは、げんくだけてていくつがへらんとす、大尉たいゐラタをば右方うほうまはし、『すゝめ!。』の一聲いつせい
清「はてな、彼様あんなに親切な長二が教えねえ事アねえ筈だが……何か仔細しせいのある事だ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
斬りつ斬られつすべき仔細わけあいは、すこしもないのだ。ただ、剣を執る身の、やむにやまれぬ興味だけで、左膳と源三郎、ここに初めて真剣の手合せ——まるで初対面の挨拶のように。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「ええ……え、腕車くるまに、成程。ええ可うがす、可うがすとも。そりゃ仔細わけえ有りゃしません。何、わっしたちに。串戯じゃありません。姉さん、じょ……、そうですかい、済まねえな。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
事新シキ仔細シサイニハナク候ヘドモ、何事ニマレ信長ノ申シ次第ニ覚悟肝要カンエウニ候。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)