“遂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つい48.1%
27.8%
つひ14.3%
3.3%
とげ1.8%
おお1.3%
0.7%
つゐ0.4%
とぐ0.4%
とう0.4%
しまひ0.2%
おしま0.2%
おわ0.2%
したが0.2%
しまい0.2%
しめえ0.2%
とく0.2%
0.2%
ツイ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
とその家庭かてい苦痛くつう白状はくじやうし、ついにこのしよ主人公しゆじんこうのち殺人さつじん罪人ざいにんなるカ……イ……をともなひてその僑居けうきよかへるにいた一節いつせつきはめて面白おもしろし。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
去年天正十年の初夏から、ことし十一年の夏までの間に、秀吉の位置は、秀吉自身すら、内心、驚目きょうもくしたであろう程な飛躍をげた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つまり河流かりゆう上汐あげしほとが河口かこう暫時ざんじたゝかつて、つひ上汐あげしほかちめ、海水かいすいかべきづきながらそれが上流じようりゆうむかつていきほひよく進行しんこうするのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
其後そのごものごとにねんれて、ひに麁想そそうをせぬやうにりぬ、世間せけん下女げぢよつかふひとおほけれど、山村やまむらほど下女げぢよかはいゑるまじ、つき二人ふたり平常つねこと
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
不思議なもので一度、良心の力を失なうと今度は反対に積極的に、不正なこと、思いがけぬ大罪たいざいるべく為しとげんと務めるものらしい。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
葉子の頭の中では、汽車が止まりきる前に仕事をしおおさねばならぬというふうに、今見たばかりの木部の姿がどんどん若やいで行った。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
他の考が私の頭の中からあなたのことをひのけてゐたのです。だが今夜は、私は氣樂になつて、心にしつこく迫つてくるものを退けて、心を愉快にする想ひを呼び返さうと決心したのです。
朝又もちあぶりて食し、荊棘いばらひらきて山背をのぼる、昨日来もちのみをきつし未だ一滴の水だもざるを以て、一行かつする事実にはなはだし、梅干をふくむと雖も唾液つばつゐに出できたらず
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
しかるをいわんや、毎週必ず一日の光陰を消耗するにおいてをや。けだし縉紳先生は功成り名とぐるの人なり。開化処士もまたおのずから見るところあるべし。
日曜日之説 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
『あ、もう十二時がとうに過ぎて居る。』と云ツて、少し頭をひねツて居たが、『どうだ君、今夜少し飮まうぢやないか。』
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それそばてはあぶさうもとで幾度いくたびはりはこびやうを間違まちがつていたこともあつたが、しまひには身體からだにしつくりふやうにつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さもしく或は軽浮であらうとも俺にはまた却てその無邪気と痴態とがしほらしくも亦いぢらしく思はれたのだつた……そればかりか俺も亦釣られて栗鼠のやうに飛びあるいた……而しておしまひには二人とも監獄に堕ちて了つた……兎に角……と又右の眼がぢつ霊魂たましひに喰ひ入るやうに覗き込む……汝達おまへたちはあまりに夢想家だつた
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
江戸家老を欺きおわせて、菊様を世に出そうが為、御舎弟様をき者にしようと云う事は、うに忠心の者が一々国表へ知らせたゆえに、老体なれども此のたび態々わざ/\出て参ったのだ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
願ふ所心にしたがひてつねに歓喜を生ぜむ、と。されば宜しく天下の諸国をして各々七重塔一区を敬ひ造り、並に金光明最勝王経・妙法蓮華経各十部を写さしむべし。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
一向その忠告の用いられないのを見て、しまいには、千代香見たような汚いはない。
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「そんだがよ、あんましがられつとしめえにやむけえかれつとよ」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
とくべし併しながら其方所持のからかさ其場所に捨在すてありし上は其方こそ疑ひなきに非ず依て吟味中入牢じゆらう申付るなりと終に道十郎は入牢の身とこそは成にけれ翌日村井長庵呼出しにて段々だん/\取調とりしらべ有りしに長庵は前に申上し通り傘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其後姿を見送つた目を、其処に置いて行つた手紙の上に移して、智恵子はじつと呼吸をこらした。神から授つた義務をたした様な満足の情が胸に溢れた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
(7)便ノ助辭ハ文中多クタヾチニノ意ヲアラハセドモ、元來、便ノ字ハ或ハ「ツイニ」ノ意ヲアラハス助辭ニ用ヒラルヽ事モアリ。
桃花源記序 (旧字旧仮名) / 狩野直喜(著)