“来”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
きた39.9%
20.2%
18.4%
13.1%
らい1.4%
0.9%
キタ0.6%
0.6%
0.5%
きたり0.5%
0.4%
0.4%
いら0.3%
0.3%
くる0.3%
きたる0.2%
いで0.2%
あが0.2%
0.2%
きたっ0.2%
きたつ0.2%
きい0.1%
このかた0.1%
きて0.1%
きる0.1%
この0.1%
こら0.1%
ごろ0.1%
0.1%
また0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さりながら歴史を進展せしむる動力は断じてこれのみではないのであります。述べきたった二ツの力も確かに歴史を動かす動力である。
流れ行く歴史の動力 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
「わたしは新羅しらぎくにからはるばるわたって天日矛命あまのひぼこのみことというものです。どうぞこのくにの中で、わたしの土地とちしていただきたい。」
赤い玉 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それがひとうように規則的きそくてきあふれてようとは、しんじられもしなかった。ゆえもない不安ふあんはまだつづいていて、えず彼女かのじょおびやかした。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
按摩あんまつゑちからに、かはべりの水除みづよづゝみると、つゑさき両手りやうてをかけて、ズイとこしばし、みゝそばだてゝかんがえて様子やうす、——とふ。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
らい了戒りょうかいのあざやかなかね色が、静かに、そして鋭く、眼光刀光が一すじになって詰め寄ろうとしています——平手ひらて青眼せいがんのかたちに。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
去年はまして、えゝながえこと御厄介ねなりりみした、いやもう二度ねどと再び山坂を越えてう云う所へはますまいと思うて居りみすが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「艦隊命令第十九号。武田清、武田燁代。右ノ者ハ至急武田造船大佐ノ指揮下ヲ離レ、槍ヶ岳洞窟内ノ旗艦『最上』ニキタルベシ。」
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
刀自らの油断を見ては、ぼつ/″\話をしてゐる。其きれ/″\が、聞かうとも思はぬ郎女の耳にも、ぼつ/″\這入はいつて勝ちなのであつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
うぬ野狐、またせた。と得三室外へ躍出づれば、ぱっと遁出にげだす人影あり。廊下の暗闇やみに姿を隠してまた——得三をぞ呼んだりける。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蓮華寺に詣り、午後磨針嶺すりばりれい望湖堂に小休す。数日木曾山道の幽邃にあきし故此にきたり湖面滔漫を遠望して胸中の鬱穢うつくわい一時消尽せり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
で、彼女は、私が大儀さうに、また厭々らしく彼女の後について行くのを不満に思つたらしく、時々「早くおなはんか!」と叱る様に言つた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
この御酒は、わが御酒ならず、くしの神 常世にいますいはたゝす少御神の神ほき ほきくるほし、豊ほき ほきもとほし まつりし御酒ぞ……(記紀)
「そんな莫迦なことがあるものですか」私は中途で制したのであった「何時だって構いませんからいらっしゃい。大体どんなお話でしょうね?」
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
打ちナビき春さりらし。山のの遠き木末コヌレの咲き行く 見れば(万葉巻十)
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
人これを知るゆゑ、かれにぬすまれじとて人智を以てかまへおけども、すこしのうばひ喰ふ、其妖術そのえうじゆつ奇々怪々き/\くわい/\いふべからず、時としてかれがくるとこざるはねずみのごとし。
父の処置に就いては少しも異議なく喜んで細川氏に嫁すべきを誓い、婚礼の日は老先生の言うがままにきたる十月二十日と定めた。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「貴方にも困りますな。さう繁々しげ/\いでになつては。無論私は以前御厄介にもなつた事があるし、今は幾らか金銭かねの融通もつく身分ですから、出来るだけはお尽ししたいが……」
早速警視庁へ御相談にあがりました所、あちらではそう云う事は却って貴君あなたに御願い申すがよかろうと云う事で、はなはだ御迷惑ながら御依頼に上った次第でございます。
真珠塔の秘密 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
何か、火急な事以外には、同志たちのいもつつしみ合っていた。殊に、何処へ出ても、居所は明確に誰かへ聯絡を持って置く事。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その後暴人ぼうじん江戸市街しがい横行おうこうし、良家りょうか闖入ちんにゅうして金銭をかすむるのうわさありし時も、先生すこぶる予が家を憂慮ゆうりょせられ、特に塾員じゅくいんめいじ、きたって予が家に宿泊しゅくはくせしめ、昼夜ちゅうや警護けいごせられたることあり。
秀郷も後を顧みずして、はるかに行き隔たりける処に、怪しげなる小男一人、忽然こつぜんとして秀郷が前にきたつていひけるは、我この橋の下に住む事すでに二千余年なり、貴賤往来の人を量り見るに
そこで婆は地蔵さんに、『地蔵さん地蔵さん、豆が転がってきいえんか』と尋ねますと、地蔵さんが、おれ喰ってしまったとお返事を
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
(『安楽集あんらくしゅう』に曰く、「無始劫むしごうよりこのかた、ここに在りて転廻りんね窮まりなく、身を受くること無数なり」と。また曰く、「六道に輪廻して苦楽の二報を受けて、生死窮まりなし」と)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
これは私が自分で玉蜀黍たうもろこしを蒔いてよく出来たから見にきてと此間いつてやつたからのことで、私の大中好だいなかよしの人たち故、日和下駄ひよりげた一件は一寸ちよつと忘れてしまひ
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
落葉松からまつの枯木をからんで、涼しくなる鈴の音は、おうきるさの白衣の菅笠や金剛杖に伴って、いかに富士登山を、絵巻物に仕立てることであろうか。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
楞厳経りょうごんきょう』に曰く、「一切衆生しゅじょう、無始よりこのかた、生死相続することは、みな常住の真心しんしん性浄明しょうじょうみょうたいを知らざるにより、もろもろの妄想をって、この想は真ならず、ゆえに輪転あり」
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
頼むよ、沢ちやんとこへも暫くこられねえ、頼むよ——。
疵だらけのお秋 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
新院から々と笑はせ給ひ、なんぢしらず、近ごろの世のみだれがなすわざなり。生きてありし日より魔道にこころざしをかたぶけて、四四平治へいぢみだれおこさしめ、死してなほ四五朝家てうかたたりをなす。
八重「半治はん誠にほめえはりいよう、ほれじゃアまねえよ、ふァたい此家ほゝているに、ほめえがほんなほとをひてや親分ほやぶんまねえよ、小兼ほはねはんにひまになってへえれってえ、ほれじゃア可愛ははひほうだアへえ」
歳 軋り 現実うつつに入りまた
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
「ああ、もっと早く来ればうござんした。一所に行って欲しかったし、それに四五日おえなさらないから、滝ちゃんや透さんの顔も見たくって、」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
われよりさきにお嬢さまも若旦那さまもおいでが有って、ばあやおめえと違って丈助はこれ/\の悪党だが、廓を出てたのだから少しの間匿れて居るんだと仰しゃって、おいでなすって
それについて、御縁女、相談にせられたかな……
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
根白ネジロ白臂枕シロタヾムキマかずばこそ知らずとも言はめ
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
畝傍山 昼は雲と、夕れば、風吹かむとぞ 木の葉さやげる
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)